【楽曲紹介】デッド・エンド（DEAD END）「Phantom Nation」

※80年代中心にハマりまくったジャパメタあれこれを紹介していきます！

日本のヘヴィ・メタル・バンド、デッド・エンド（DEAD END）が1988年にリリースした、2枚目のアルバム『Ghost of Romance』の3曲目に収録。

エディ・ヴァン・ヘイレンが亡くなった衝撃は、当分癒えそうにないですが、ここ日本でも、2020年の6月に、デッド・エンドのYOUこと足立裕二氏が、まだ56歳の若さで逝去されました。このニュースもHM/HRシーンに衝撃を与えましたね。

デッド・エンドといえば、86年にリリースした『Dead Line』をまず思い出します。何せインディーズで２万枚超えのセールスは、金字塔すぎてヤバイです。それでも中々手に入らずに、カセットテープに入れてもらいましたが、「Spider in the Brain」を聴いた時は、今までにないメタルを聴いている感覚でした。

MORRIEの一度耳にすると忘れらないクセの強い歌唱、COOL JOEのうねりをあげるベース、ジャパメタドラムのお手本のようなTANO、そしてマイケル・シェンカー、ウリ・ジョン・ロート直系のメロディアスなフレーズを巧みに奏でるYOUと、役者が揃っていました。TANOとYOUがテラ・ローザ出身ですから、ジャパメタ臭が強いのは当然ですよね。

この時点でもすでに異色の存在でしたが、メジャー前に、ドラムがメタル系のバックボーンがない、変態リズムを叩き出すMINATOに変わったことで、どのバンドにも似ない独自のサウンドを生み出す、化学反応が起きました。そこからはメタルの枠には収まらない変貌を遂げて、ヴィジュアル系の始祖とも言えるサウンドをクリエイトしました。

今回本当は「Spider in the Brain」を選びたかったんですが、『Dead Line』がストリーミングにない（泣）。ジャパメタ史に残る音楽遺産を伝える意味でも、何とかして欲しいところです。

ということでピックアップした「Phantom Nation」は、比較的アップテンポでストレートなメタルチューンですが、各メンバーの一癖も二癖もあるパフォーマンスにより、デッド・エンドというジャンルすら感じる楽曲に仕上がっています。YOUが奏でる生々しいギターは、ソロに限らずリフの一音一音も聴き逃せないですね。

ぜひ、一度聴いてみてください！