ユーライア・ヒープ(URIAH HEEP)のキーボード奏者だったケン・ヘンズレー(Ken Hensley)が、2020年11月4日に75歳で亡くなりました。
70年代の初頭に、レッド・ツェッペリン、ディープ・パープルらと並び、ハード・ロック黄金期を支えたユーライア・ヒープの、大半の楽曲を書き上げたのが、ケン・ヘンズレーでした。「Easy Livin」「Look at Youself」をはじめ、バンドの代表曲のみならず、まさにハード・ロック史上に残る名曲の数々を生み出し続けた、その豊かな才能は計り知れません。
キーボード奏者としては、ハモンド・オルガンを中心として自在に操り、ギター中心だったハード・ロック・ミュージックにおける、キーボード奏者の役割を完全に確立してきました。その後世に残した偉大なる功績は、ディープ・パープルのジョンロードとともに、改めて賞賛されるべきでしょう。
ケン・ヘンズレーは、 ユーライア・ヒープでの長年の活動の他に、ソロや他のバンドへのゲスト参加など、多彩な活躍を繰り広げました。メタルファンにお馴染みなところでは、W.A.S.Pの『The Headless Children』やシンデレラの『 Heartbreak Station』などがありますが、サザンロックバンド、ブラックフットとしての活動は、特に忘れられません。
ブラックフットでは2枚のアルバムを残していますが、何と言っても素晴らしいのは、83年のアルバム『Siogo』の1曲目に収められた「Send Me an Angel 」でしょう。ケン・ヘンズレーが奏でるキーボードに導かれ始まる、あまりにも劇的でメロディックなハード・ロックは、その力強さの中に宿る哀感に、胸を締めつけられます。ケン・ヘンズレーが在籍したからこそ成し得た、ハード・ロック史上に永遠に残る名曲、名演といえるでしょう。
今日はこの「Send Me an Angel 」と、ユーライア・ヒープからは、デヴィッド・バイロンとの共作で生み出された、こちらも史上に残る名曲「July Morning」を聴いて、ご冥福をお祈りしたい思います。
R.I.P. Ken Hensley