※メタルの激しさとのギャップが美しい、バラードの魅力を紹介します!
アメリカのメロディアス・ハード・ロック・バンド、プロフェット(PROPHET)が、1985年にリリースした1枚目のアルバム『Prophet』の6曲目に収録。
プロフェットは、のちにデンジャー・デンジャーのヴォーカリストとして活躍するテッド・ポーリーが、“ドラマー”してデビュー時に在籍していたことで知られていますね。ちなみにベーシストのスコット・メタクサスは、のちに畑違いのニュークリア・アソルトに参加しているのが面白いところです。
当時手に入れた『Prophet』の日本盤LPのジャケットは、メンバーの集合アー写でしたけど、CDで再発した際に違うデザインが採用されていますね。
あくまでもメロディを重視した、シンフォニックかつドラマティックな方向性は、80sのバンドらしい華やかさ以上に、70年代のアメリカン・プログレ・ハードに通じるような、シリアスなサウンドテイストを呈示していました。これだけ確かな技量と良質な楽曲を揃えていながら、大きなブレイクを果たせなかったのは、皮肉なことに80年代のバンドらしからぬ個性にあったのかもしれません。
今回ピックアップした「Everything You Are」は、プロフェットの魅力を凝縮した珠玉のバラードナンバーです。パイプオルガン風の荘厳な響きのイントロが始まった瞬間から、ドラマティックで美しい音世界へと一気に引き込まれます。メロディ、曲展開、アレンジのいずれも非の打ち所のない素晴らしさで、心が浄化されていくようですね。
曲中の随所で泣きまくるギターにも心が動かされますが、ディーン・ファザーノの情感豊かなヴォーカルと、フックを極めたコーラスワークがとりわけ素晴らしく、聴く人の涙腺を刺激することは間違い無いでしょう。ディーンは2009年に他界しており、本当に惜しまれますが、名曲と言えるバラードナンバーの中で、澄み渡るその歌声は永遠に残ることでしょう。
ぜひ、一度聴いてみてください!