※評価が今イチなアルバムの中に眠る、隠れた佳曲をご紹介していきます。
アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、スキッド・ロウ(SKID ROW)が、1995年にリリースした3枚目のアルバム『Subhuman Race』の7曲目に収録。
ボン・ジョヴィの弟分的な存在で、華々しくデビューし、1枚目、2枚目と破竹の勢いで進撃したスキッズでしたが、彼らをもってしても、グランジ・オルタナ禍の影響は免れませんでした。名手ボブ・ロックを起用して、万全の体制で送り出された本作の作風には、時代の波が色濃く刻まれています。
今改めて聴いてみると、決してクオリティの低い作品ではありませんし、スキッズらしい破天荒な部分や覚えやすいメロディが、全くないとは言えません。けれども、パンテラが劣化したような、重たく引きずるリフや、どんより淀んだ雰囲気の曲が次々流れると、当時は、ダメだこりゃ、と諦めたような気分になりましたし、今でもそうした印象は受けてしまいます。
モダン・ヘヴィネス化が何もかも悪い、とは思えないんですが、それぞれのバンドには持ち味がありますからね。本家のグランジ系バンドのモノマネをしても、80sのメタルバンドが敵うわけありませんし、華やかでメジャーなHM/HRの象徴のひとつだったスキッズには、時代に迎合した方向性を選んでほしくなかったです。
何曲か許せる曲がある中で、今回ピックアップした「Subhuman Race」は、名曲「Slave to the Grind」を彷彿とさせるような、怒涛の勢いで押し通す、アップテンポのメタルチューンです!バズのワイルドなヴォーカルも、こうした曲調ではよく映えますよね〜。ヘヴィさを増したリフも、ここでは良好なプロダクションも相まって、よくハマっています。
ぜひ、一度聴いてみてください!
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