元エントゥームド(EMTOMBED)、現エントゥームドA.D.(EMTOMBED A.D.)のヴォーカル、L.G.ペトロフ(Lars-Goran Petrov)が、3月7日、49歳で亡くなりました。
先日のチルドレン・オブ・ボドムのアレキシ・ライホの衝撃が記憶に新しい最中、またしても北欧のエクストリーム・メタル・シーンから訃報が届きました。アレキシ同様に、まだ40代の若さですからね。
L.G.は昨年、自身が胆管がんを患ったことを発表し、クラウドファンディングで治療費を募っていました。しかしながら、残念なことにがんの進行を止められませんでした。。
今回の訃報を受けて、デストラクションのシュミーヤ、エクソダスのゲイリー・ホルト、スコーピオンズのミッキー・ディー、アーチ・エネミーのマイケル・アモット、クリーターのミレ、オーペス、ヴォルビート、オビチュアリー、さらに他にも大勢のアーティスト達からの追悼メッセージが、続々と寄せられています。
L.G.の人柄によるところはもちろん、彼がエントゥームドとともに生み出した音楽が、いかに大きな影響を及ぼしていたのか物語るようですね。個人的には、正直言ってデス・メタルを積極的に、聴いてきたわけではないんですが、90年にエントゥームドのデビュー作『Left Hand Path』を輸入盤で買って、初めて聴いたときのことは、よく覚えています。
それまでスラッシュ・メタルをずっと聴いてきて、スラッシュが下火になってきた中で聴いた彼らのサウンドは、L.G.の強靭なデス・ヴォイス、のちにBuzzsawと形容された、ジリジリと聴感を刺激する独特のギターサウンド、スラッシュ由来の激しいスピード感など、新鮮な要素が満載で、かなり気に入って当時聴き込みました。
今にして思えば、あの中にスウェディッシュ・デス・メタルの基本形が、全て詰め込まれていたんですね。後年はエントゥームドA.D.に分裂しましたが、そのパイオニアとしての存在価値は、改めて評価を高めていくことでしょう。
今日は、『Left Hand Path』のタイトル曲にして、冒頭に収められた歴史を塗り替えた激烈な1曲「Left Hand Path」でのL.G.の咆哮を聴いて、ご冥福をお祈りしたい思います。
R.I.P. Lars-Goran Petrov