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【新作レビュー】 アウト・オブ・ディス・ワールド(OUT OF THIS WORLD)「Ain’t Gonna Let's You Go」

※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!

 

2021年4月2日、スウェーデンのメロディアス・ハード・ロック・バンド、アウト・オブ・ディス・ワールド(OUT OF THIS WORLD)の1枚目のアルバム『Out of this World』がリリースされました。

 

フェア・ウォーニングのヴォーカリスト、トミー・ハートと、元ヨーロッパのギタリスト、キー・マルセロの合体!一昔前ならこのキャッチフレーズだけで期待が高まったでしょうが、2017年のキー・オブ・ハート結成時も、正直「どうせ今更メロハー的なサウンドは、やらないだろうなあ〜」と、タカをくくっていました。

 

ところが、近年メロハー度低めでだらしない本家(汗)よりも、ずっとフェア・ウォーニング風のメロハーを聴かせてくれたのは、嬉しい誤算でした。そんなキー・オブ・ハートの進化形が、アウト・オブ・ディス・ワールドです(しかし、どっちも名称長すぎ(笑))。

 

トミー、キー以外では、ベースが引き続きケン・サンディン!エイリアン、ダ・ヴィンチなどで、まさに北欧メロハーを体現してきたプレイヤーですね。ドラマーのダービー・トッドは、イギリスのセッション・ドラマーで、キーボードにはドン・エイリーが参加しています。

 

さて、両バンドは一体どこが違うねん!と思いきや、結構テイストが違います。憂いを押し出した”陰”のキー・オブ・ハートに比べ、爽やかさを押し出した”陽”のアウト・オブ・ディス・ワールド、といった趣があります。個人的には、北欧メロハーや産業ロック、プログハード的な爽快感に大きくシフトした方向性、曲の完成度ともに、断然後者を支持しますね〜。バンド名は、言わずもがなヨーロッパの4枚目から取られていますけど、あの爽やかで甘いサウンドイメージを継承しているのかもしれません。

 

さて、アルバム1曲目の「Twilight」に鳴り響く、80sライクなポリシンセの響きだけで、まずはガッツポーズものです(笑)。この曲、なぜか無駄に7分以上もあり冗長なんですが(汗)、同じような方向性の4曲目「Lighting Up My Dark」、8曲目「Ain’t Gonna Let's You Go」などをはじめ、爽快系の良曲が並びます。

 

爽やかなイントロから一転、ポリスの丸パクリのような(汗)5曲目、突然ヴァン・ヘイレン風シャッフルビートで、ちょっと浮いてる6曲目とか、若干出来にバラつきはあるものの、キーとはヨーロッパ以来となる、名手ロン・ネヴィソンのプロデュースが素晴らしい!音のメジャー感も段違いで、世が世ならホールクラスでライヴができそうなレベルですよ。

 

トミーのヴォーカルは、全盛期の天を突き破るような力強いハイトーンではないものの、未だ十分ハイトーンですし、年輪を重ねた優しさや味わいが感じられます。キーのギタープレイは、ヨーロッパ当時のまんま!フルピッキングによる流麗かつメロディアスな速弾きは健在で、深めのディレイを掛けた広がりのある甘いトーンが、なんとも心地よいですね〜。

 

 限定日本盤CDは、キー・オブ・ハートのライヴ入り二枚組ですが、約5000円は高すぎ。。所有欲をそそられないジャケットですし(汗)、CDを買わせたいなら、せめて3800円ぐらいじゃないと。。まずはストリーミングで、本編を聴き倒せば十分でしょう!

 

楽曲は、爽快系の「Ain’t Gonna Let's You Go」を選んでみました。心が洗われるようなコード展開が、いかにも北欧メロハーっぽくていいですね〜。せっかく良いバンドなので、パーマネントドラマーを入れて、メロハーの希望の星としてがっつり活動して欲しいですね!

 

聴いてほしい度

88

AIN'T GONNA LET YOU GO

AIN'T GONNA LET YOU GO

  • OUT OF THIS WORLD
  • メタル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

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