※誰が聴いてもヘヴィ・メタル!な楽曲を紹介していきます!
アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、 ヘリオン(HELLION)が、1990年にリリースした2枚目のフルアルバム『The Black Book』の2曲目に収録。
”ヘリオン”と聞けば、メタルファンなら誰もが、まずジューダス・プリーストの曲名を想起するでしょう。女性メタルヴォーカリストのアン・ボレイン率いるバンド、ヘリオンは、その名の通り、ジューダス直系の正統派メタルを信条としています。
アメリカ西海岸で結成されたのが82年ですから、まさにLAメタルムーブメントの前夜ですね。ヘリオンは女性ヴォーカルを擁しながらも、ヘアメタルとは対極の正統派メタルを貫き、むしろヨーロッパで注目を集めました。
アンのエモーショナルで激熱な歌唱と野太い性質は、いやがおうにもロニー・ジェイムズ・ディオを想起させますが、実際に、ロニーと妻のウェンディに注目され、彼らがマネジメントを手がけた時期もありました。しかし、アンがバンドを解雇され、その後、別のヘリオンや自身の会社、ニュー・ルネッサンス・レコードを立ち上げ、、と様々な波乱が起こっています。
今回ピックアップした「The Black Book」は、紆余曲折を経て、ようやくセカンドとしてリリースされた、重厚なコンセプト・アルバムのタイトル曲です。日本では「暗黒の書」なんていう邦題がついて、アルバムは高評価を受けましたね。硬質でブレのない音像は、まさにメタル以外何者でもないサウンドです。ドラマチックなメロディと展開で聞かせる王道メタルは、鋼鉄魂を熱くさせるでしょう!
アンのヴォーカルの歌い回しは、まるでロニーが憑依したかのようですが、個人的にはテラ・ローザの赤尾和重も思い出してしまうんですよね。アンばかりに注目がいきますけど、ギターをはじめとするバック陣もなかなかのテクニシャン揃いでした。
アンはヘリオンとして未だ活動を続けていますが、80年代にビジネス上もっと順調であれば、今のドロ・ペッシュあたりと、同じくらいの評価を受けてもいいはずでした。ストリーミングで音源もほぼ網羅されているので、元祖メタルクイーンの一人として、再評価されてほしいと願います!
ぜひ、一度聴いてみてください!