※評価が今イチなアルバムの中に眠る、隠れた佳曲をご紹介していきます。
アメリカのプログレッシヴ・メタル・バンド、 ドリーム・シアター(DREAM THEATER)が、1994年にリリースした3枚目のアルバム『Awake』の3曲目に収録。
この問題作、駄盤括りで本作を取り上げながら言うのも変ですけど、、、今改めて聴くと決して悪い作品と思いません。むしろ完成度は高いですし、2000年代に発表された、ドリーム・シアターの幾つかの冗長な作品(汗)よりは全然マシに思えます。
けれども、当時デビュー作から衝撃を受け、名作『Images and Words』で完膚なきまでにノックアウトされ、初来日公演を観て完全に彼らの虜になった身としては、次作でもその延長線上となる音楽性を期待していただけに、ヘヴィネスを重視した『Awake』をあのタイミングで初めて聴いた時には、違った意味での衝撃、ショックを受けてしまいました。
テクニカルでプログレッシヴなバンドの個性は、さらに磨きがかかっているものの、作品全体を覆い尽くすダークで重苦しい雰囲気のサウンドと、抑揚に乏しく美しさが欠如したメロディは、オルタナ・グランジ禍の影響を感じざるを得なかったこと事実です。
『Images and Words』は、今もバンドの代表作として語り継がれているように、メロディを重視したドラマティックなサウンドを極めた、非の打ち所のない内容でしたし、その次作という位置付けが、必要以上に悪いイメージを植え付けてしまったのかもしれません。少なくとも『Awake』が、今のヘヴィネス路線に至る礎となったアルバムであるのは、間違いないでしょうね。
今回ピックアップした「Innocence Faded」は、アルバム中で最もキャッチーでメロディアスな方向性を示した楽曲で、例え前作に収録されていても、恐らく違和感がないほど。サビや後半部分に顕著ですけど、パッと前が開いて光が差してくるようなメロディの展開が、個人的に大好きなドリーム・シアターらしさを存分に感じさせてくれます!
ぜひ、一度聴いてみてください!
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