スリップノット(SLIPKNOT)の元ドラマー、ジョーイ・ジョーディソン (Joey Jordison)が、2021年7月26日、46歳で亡くなりました。
今週は洋楽HM/HRファンにとって、追いつけないほど連日アーティストの訃報が届いていますが、まだまだこれから活躍する若い世代からも、残念なニュースが届いてしまいました。
このブログで色々選曲してきた通り、90年代に入ってからのラウド系メタルではパンテラあたりまでしか自分の感性に合わず、スリップノットに代表されるようなニュー・メタル、ラウドロック系は、正直言ってほとんどスルーしてきました。
ほんと話のタネにかじってきた程度で、おそらくこの訃報がなければ、何かを書こうとは思わなかったでしょう。それでもジョーイのドラミングには、80sの古いメタルを聴いてきた筆者のような者でも、どこかシンパシーを感じる部分がありました。それは彼自身がメタリカやスレイヤーといった、80sのスラッシュメタルのムーブメントに影響を受けているからに違いありません。
2004年のダウンロードフェスにおいて、急遽ラーズ・ウルリッヒのピンチヒッターとしてジョーイがプレイしていますけど、過去に多くのメタリカの楽曲をコピーしていたことを伺わせる的確なプレイを見せてくれましたね。
ジョーイ自身はスリップノットの創始者のひとりとして、自身の影響をそのままアウトプットするのではなく、オルタナ・グランジ、ラップなど古いメタルを追いやった音楽的な要素をミックスし、全員仮面というバンドコンセプトも含め、全く新しいメタルの形を生み出した功績は計り知れないと思います。
筆者はついていけませんでしたが、、、新世代のメタルファン、敢えてメタルとかジャンルに捉われない若いロックファンに与えた影響力が、絶大だったことはよく理解できます。筆者も10代の頃、スリップノットを聴いていたら、激しいロックにのめり込む初期衝動の対象になっていたでしょう。
何よりプリミティヴなリズムが主軸となるスリップノットの激音にとって、生命線と言えるのがジョーイのドラミングでしたが、今回の訃報でマイク・ポートノイ辺りからも追悼のコメントが出ていたように、ドラマーとして一目置かれる確かな技量を持ち合わせていたからに他なりません。
今日の追悼の1曲は、デビュー作『Slipknot』に収録された楽曲「Eeyore」をピックアップしてみました。ハードコア的な爆走リズム全開で一気に駆け抜ける、ジョーイの激烈なドラミングを聴きながら、ご冥福をお祈りしたい思います。
R.I.P. Joey Jordison