カンサス(KANSAS)の元ヴァイオリン奏者、ロビー・スタインハート(Robby Steinhardt)が、2021年7月20日、71歳で亡くなりました。
フロリダ州タンパで急性膵炎による合併症で亡くなったようです。ロビーの残念な知らせは少し前になりますけど、この7月は毎日のようにHM/HRに関連するアーティストが、この世を去りましたね。。この場で4日連続の追悼になってしまいました。
思えば、洋楽ロック初心者の頃、初めてロックとヴァイオリンの組み合わせを知らしめてくれたのが、カンサスであり、ロビーのプレイでした。今でこそロックにヴァイオリンを取り入れることや、ヴァイオリン奏者が在籍すること自体、珍しくないかもしれませんが、当時はとても新鮮かつ興味深く思えたのを記憶しています。
ロビーの長髪にひげを蓄えた風貌も、カンサスの創設メンバーらしい威厳を放っていました。再来日公演でのヴァイオリンプレイとヴォーカル、その勇姿は、今も目に焼き付いています。カンサスにアメリカのバンドらしからぬ叙情性と、プログレ的なエッセンスを与えたのは、ロビーのヴァイオリンをフィーチャーした編成によるところが大きいでしょう。
今日の追悼の1曲は、不朽のライヴアルバム『Two For the Show』(偉大なる聴衆へ)から「The Wall」をピックアップしてみました。この曲は名盤『Leftoverture』(永遠の序曲)に収録されていますが、ライヴヴァージョンの方がロビーのヴァイオリンのバランスが明瞭で大きく、情感溢れるプレイを存分に堪能できます。哀感に満ちた歌メロに絡みつくように奏でられるヴァイオリンは、じわじわと心の奥底に染み入り、深遠な感動を呼び覚ましてくれます。
ストリーミングでは、カンサスの名盤の多くが、スタジオ作も含めてしっかりアップされていますので、改めてロビーが残してくれたヴァイオリンに耳を傾けつつ、ご冥福をお祈りしたい思います。
R.I.P. Robby Steinhardt