※思わず一人モッシュしたくなる!スラッシュメタルを紹介していきます。
デンマークのスラッシュ・メタル・バンド、 アーティレリー(ARTILLERY)が、1990年にリリースした3枚目のアルバム『By Inheritance』の2曲目に収録。
人口600万人にも満たないデンマークにおいて、いち早くスラッシュ・メタルを奏でてきたパイオニア、アーティレリー。85年のデビュー以来、休止期間を除き、未だ現役で活動中です。バンドを牽引してきたツインギター、スタッツァー兄弟の功績は大きいでしょう。それだけに、2019年に兄弟の一人、モルテンが亡くなったのは大変残念な出来事でした。
初期の未完成ながら、破天荒な攻撃性を露わにした作風も聴きどころですが、群を抜く完成度を見せた『By Inheritance』こそ、最高傑作と呼ぶに相応しいでしょう。当時このチープなジャケのイラストを見て、なぜCDを購入したのか不思議ですけど(笑)、飛び出してきたサウンドの整合性とクオリティの高さに、ぶっ飛んだ記憶があります。
スラッシュでありつつも、作品全体の練られ具合や楽曲のヴァリエーションも含め、正統派メタルとしての色合いも醸し出しています。プロデュースは、メタリカの名作群でお馴染みの名手フレミング・ラスムッセン。今時の音圧だけを安易に上げた画一的な音作りと真逆のナチュラルな質感が、バンドの実力や魅力を却って際立たせていますね。
今回ピックアップした「Khomaniac」は、その典型といえる出来映えで、アーティレリーのみならず、スラッシュ・メタル史に残る名曲のひとつと言っても過言ではないでしょう!
中近東風のメランコリックなツインギターが雰囲気を支配する中、ザクザクのリフを伴いながら、タイトなリズムで目まぐるしく展開していきます。デス声に逃げることなく、エネルギッシュに歌い上げるヴォーカルが、一介のスラッシュで終わらない魅力を付加していますね。
発売後に歌詞のデリケートな問題で、確か海外盤では外されていたと思いますが、今はストリーミングでも問題なく聴けるようになっています!
ぜひ、一度聴いてみてください!
CDはこちら