※評価が今イチなアルバムの中に眠る、隠れた佳曲をご紹介していきます。
イギリスのヘヴィ・メタル・シンガー、オジー・オズボーン(Ozzy Osbourne) が、2001年にリリースした8枚目のアルバム『Down to Earth』の5曲目に収録。
活動歴が長くファン層も幅広いオジーの場合、95年の『Ozzmosis』以降の作品への評価については、ファンの世代による違いが顕著ですね。グランジ・オルタナ禍以降にオジーを聴き始めた世代にとっては、どれもオジーらしいヘヴィな作品と概ね高評価でしょう。
一方で、初期の頃からオジーを聴いていたオールドファンにとっては、メロディやよい意味での軽快さに欠ける部分が、どうしても馴染めない人が多いのも事実ですね。
やはり90年代初頭、あのフェアフェルツアーがオジーへの忠誠の分水嶺になったのは否めないですね〜。筆者もライヴ会場で、ホントにオジーが引退してしまうんだ〜、と本気で涙して騙された(笑)クチなので。
『Ozzmosis』で復活してからは、時代に即したヘヴィロック的な音楽性を主軸に打ち出していくわけですが、『Down to Earth』ではそれを突き進めた感があり、より馴染めませんでした。。
リズム隊がロバート・トゥルージロとマイク・ボーディンに変わってしまったのに加えて、プロデューサーにオルタナ系人脈のティム・パーマーを起用した影響も大きいでしょう。音作りに80年代のオジーらしさが感じられないんですよね。外部ライターの起用も功を奏しているように思えません。
今回ピックアップした「That I Never Had」は、アルバム中では比較的リズミカルな楽曲で、全面にフィーチャーされたザックによるザクザクしたリフ(洒落みたいですね笑)が心地よく響いてきます。楽曲のクレジットにはジョー・ホルムズの名前があるので、多少なりとも80年代のテイストを感じるのは、その辺りも関係しているのかもしれませんね。
ぜひ、一度聴いてみてください!