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【新作レビュー】ジューダス・プリースト(JUDAS PRIEST)「Reflections - 50 Heavy Metal Years of Music」

※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!

 

2021年10月15日、イギリスのヘヴィ・メタル・バンド、 ジューダス・プリーストJUDAS PRIESTのアルバム『Reflections - 50 Heavy Metal Years of Music』がリリースされました。

 

大物アーティストの注目作リリースが相次いだ、2021年のHM/HRシーンを締めくくるジューダス・プリーストの新作は、メタル生活50周年!の企画アルバムです。

 

こちらは50周年の目玉として企画された、CD42枚443曲入り!全世界3000セット限定のボックスセットから、エッセンスとして抽出された16曲を収めたものです。うちライヴ10曲と変則で、さらに7曲が未発表音源になっています。

 

お値段5万円!のボックスセットは手に入れたファンの方が少ないでしょうから、大半のファンはこちらのダイジェスト盤で50周年をお祝いするということになりますね。5万円が3000個売れると1億5千万円!いやはや、さすがはメタルゴッドです。世界規模で考えると、もっと個数を作れば余裕で売れかもしれません。

 

さて、ダイジェスト盤ですけど、注目は少ないながらスタジオ音源6曲の選曲でしょう。50周年ということで、ファンからの上位人気曲やベストオブベストでまとめてくるかと思いきや、なかなかに攻めた選曲になっています。裏の裏の裏ベスト?みたい内容ですね。

 

その中でもオープニングに収められた「Let Us Prey / Call for the Priest」は、最高に粋な選曲ですね〜。3作目のSin After Sinに収められた楽曲ですけど、Sin After Sin自体が、完全にメタル化していくStand Classの前、また助っ人ドラマーにサイモン・フィリップスを迎えた過渡期の作品という位置づけにありました。

 

さらに、『Sin After Sin』では、名曲「Sinner」がまずは代表曲として挙げられるため、「Let Us Prey / Call for the Priest」は、どちらかと言えば隠れた名曲という位置づけに甘んじていました。今回50周年という大きな節目のテーマ的な楽曲としてピックアップされたことで、多くのライトなファンからも愛聴されていくことでしょう!

 

いやが応にもクイーンを彷彿とさせるギターオーケストレーションと、ロブの神々しい歌唱に導かれたオープニングからつながる劇的なメタルチューン。77年という時代を考えると、驚異的な疾走感とリフ攻撃は、ハード・ロックからヘヴィ・メタルへと移行するジューダス・プリーストの姿を見事に映し出しています。

 

抜け感のあるサビやツインギターの展開は、のちのメロディック・パワー・メタルの原点と言っても過言ではないでしょう。ハロウィンの某曲はパクリ過ぎ(笑)。そして、疾走感を支える名手サイモン・フィリップス。若かりし頃とは思えぬ、シンコペーションがビシビシ効いたテクニカルで変幻自在なドラミングは、とにかく聴いていて気持ちいいですね〜。

 

この1曲がフィーチャーされているだけで、並みのベスト盤、企画盤にない価値を感じます。その他の5曲も中々に意外な選曲で、こうして並べると新鮮に聴けますね。ライヴの方は説明不要の名曲が多く並びますけど、あくまでもライヴ音源ですから、熱心なマニア向けと言えるでしょう。

 

今回の企画アルバム自体は、ストリーミングで全曲聴けますので、楽曲が気に入って、オリジナルアルバムをもし持っていないのであれば、それを優先して買った方がいいと思います。

 

アルバムを引っさげての来日という可能性も、コロナ後に出てくるかもしれませんので、改めてこの作品をきっかけに50年の長きに渡る足跡を振り返ってみたいですね!

 

聴いてほしい度

85

 

アルバムはこちら