※80sを象徴する音楽、産業ロックのあれこれを紹介していきます!
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンド、 GTR(ジーティーアール)が、1986年にリリースした1枚目のアルバム『GTR』の1曲目に収録。
前回の産業ロック括りで、エイジアをご紹介しましたが、そのエイジアから脱退したスティーヴ・ハウが、今度は元ジェネシスのスティーヴ・ハケットと共に、新たに結成したのがGTRでした。
結成といっても自然発生的ではなく、ハウのマネージメントがハケットに引き合わせたのがきっかけだったようですね。エイジアがあれだけのスーパーメガヒットになり、まだまだこの路線でいける!という目算があったんでしょう。
時代は未だ80年代の半ばを過ぎた頃でしたし、産業ロック風味のプログレに、十分需要があった時期でした。ハケットにしても、70年代のプログレッシヴ・ロック・シーンの盟友達が、80年代に合わせてアップデートして、成功を収める様子を見て、触発されても不思議はないでしょう。
他のパートも、マリリオン、マイク・オールドフィールドといったところで活躍してきた実力派を集めましたが、とりわけ、クリスタルなハイトーンヴォイスを持つシンガー、マックス・ベーコンは、GTRの標榜するメロディアスなサウンドスタイルに、ドンピシャにマッチしていましたね。
今回ピックアップした「When the Heart Rules the Mind」は、アルバムのリードトラックとしてシングルカットされ、全米14位のスマッシュ・ヒットを記録した、極上のポップに仕上げたプログレ・ハード・チューンです!
憂いのある哀感を滲ませているのは、英国産ならでの風味ですね〜。マックスの美しいハイトーンに絶妙のフレージングで絡みつく、ハウの深いディレイのかかったギタープレイが、エイジアとはまた異なるGTRの魅力を感じさせてくれます。巨大なセットと煌びやかなライティングの中でパフォーマンスする、いかにも80sのテイストを醸し出すMVも作られました。
アルバムは全米11位まで上昇、エイジアの2匹目のドジョウはしっかり存在した結果を残しました。それだけに、リリースは本作だけ、わずか1年にも満たない活動期間で終了したのは、非常に惜しまれます。
ぜひ、一度聴いてみてください!
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