※誰が聴いてもヘヴィ・メタル!な楽曲を紹介していきます!
アメリカのヘヴィ・メタル・ギタリスト、ジャック・スター(JACK STARR)が、1984年にリリースした1枚目のソロ・アルバム『Out of the Darkness』の1曲目に収録。
80sUSメタルの重要バンドとして、東海岸から登場したヴァージン・スティール。オリジナルギタリストであるジャックは、代表作として名高い初期2作を発表後、自らのソロ作品に取り掛かります。
シンガーとして、ライオットのレット・フォレスターをフィーチャー、リズム隊にはロッズのカール・ケネディ(Ds)とゲイリー・ボードナロ(B)が脇を固め、ジャックとカールがプロデュースするなど、さながら東海岸のメタルシーンのオールスター的布陣が揃っていました。
同時期にカールによる東海岸のメタルプロジェクト『Thrasher』がリリースされていますが、メンバー的にも繋がりを感じますね。それだけにソロ作とは言えども、ギタリストにありがちな自己満足的なインストではなく、あくまでギターをフィーチャーした正統派メタルの良盤に仕上がっています。
煌びやかな時代の作品にも関わらず、どこかウェットな質感を醸し出しているのは、東海岸発という土地柄が大きいでしょうし、ヨーロピアンな叙情性すらも滲ませているのは、フランス生まれであるジャックの感性も無関係ではないでしょう。
今回ピックアップした「Concreate Warrior」は、アルバムのオープニングを飾る、典型的な東海岸風味の正統派ヘヴィ・メタル・チューンです!摩天楼ニューヨークのコンクリートジャングルを想起させるような、どこか冷たい質感の劇的なメタルは、実にクールなテイストですね。
男の哀愁が漂うレットの歌唱にはゾクゾクさせられますし、カールとゲイリーのリズム隊は実にタイトで小気味良いですね。何より、御大ジャックのギタープレイは、シュラプネル系のようにテクニックはないものの、自らの感性から湧き出るエモーショナルなフレーズの勢いと説得力は見事で、技量だけでは測れない群を抜く存在感を示しています。
当時のジャケットは、ハットを被ったジャックの画像でしたが、近年の再発版では、レットがフィーチャーされたジャケと名義に変更されており、ストリーミングではこちらのヴァージョンがアップされていますね。
ぜひ、一度聴いてみてください!