※プログレ知識薄めのHM/HR視点で選ぶプログレをご紹介します!
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンド、 アンダーソン・ブルーフォード・ウェイクマン・ハウ(Anderson Bruford Wakeman Howe)が、1989年にリリースした1枚目のアルバム『Anderson Bruford Wakeman Howe 』の1曲目に収録。
リリース当時のカタカナ表記は”ブラッフォード”でしたけど、今はビルご本人からの要望で、より実際の発音に近い”ブルーフォード”と表記されてるんですね。
薄めのプログレファンを自認しているだけに、、個人的にイエスはとりわけとっつきやすく、好んで積極的に聴いてきたプログレバンドのひとつです。70年代の長尺な作品であっても、親しみやすいメロディセンスが下地にあるので、クリムゾンなどと比べると耳馴染みの良さが違いました。
そんなイエスの5分の4が集まり創られたABWH(長いので略します笑)唯一の本作は、ロジャー・ディーンのお馴染みのタッチによるアートワークもあいまって、急速にポップ化していった80年代のイエスから、70年代への回帰を期待するファンに大注目されました。
実際には、ビキバキとしたクリス・スクワイアのベースがない違和感は、熱心なファンにはやはりあったでしょうし、80年代の産業ポップ期を通過した雰囲気も持ち合わせたサウンドには、賛否両論ありましたけど、個人的にはどちらの時期も分け隔てなく好きだったので、美味しいとこ取りのようでむしろ嬉しかったですね。
今回ピックアップした「Order of the Universe」は、その象徴とも言える方向性に仕上がった佳曲です!9分にも及ぶ長尺な楽曲ですが、決して難しい印象はなく、むしろジョン・アンダーソンの歌うキャッチーなメロディやリック・ウェイクマンのキラキラとした鍵盤の音色は、80年代のイエスを想起させます。
スティーヴ・ハウのいつもにも増して歪み多めのサウンド・メイキングは、エイジアのような雰囲気ですし、ビルも複雑でなく楽曲を引き立たせるプレイに終始していますね。それでも後半に向かい、次第に盛り上がっていく劇的な展開は、プログレらしさが十分に滲み出ていて胸を打ちます。
アルバムに伴う来日公演は期待以上に素晴らしく、手が痛いほどにスタンディングオベーションした興奮と感動が甦ります!
ぜひ一度、聴いてみてください!