※80sメタル好きの暗黒期、90年代の良心的楽曲を紹介していきます!
アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、 ギャラクティック・カウボーイズ(GALACTIC COWBOYS)が、1993年にリリースした2枚目のアルバム『Space In Your Face』の7 曲目に収録。
異なるサウンドの要素を掛け合わせて、新たに個性的なサウンドを生み出す。HM/HRの世界でもそうしたバンドは散見されますが、”メタリカ meets ビートルズ”と称された、ギャラクティック・カウボーイズは、その成功例のひとつと言えるでしょうね。
結成自体は89年、デビューは91年と、時代はオルタナ・グランジに突入するタイミングでしたので、当時は、またモダンへヴィネス系の新星かとタカをくくっていたんですが、話題になった本作を聴いて、これは面白い!と素直に良い印象を受けました。
スラッシーに刻むリフやリズムのパターンをベースに、人力が織りなすハーモニーによるキャッチーなメロディラインが唐突に飛び出し、時代を感じさせるヘヴィネスで味付けする。そんな個性極まりないサウンドスタイルは、確かにメタリカとビートルズの特徴的な要素が垣間見られ、溶け合わせるというより、巧妙に”接続”させたモノでした。
デビュー作から、この独自の路線は始まり、完全に自分たちのスタイルとして確立させたのが本作でしたね。プログレッシヴな要素もサラリと表現する、バンド自身の高いアビリティもさることながら、キングスXでお馴染みのプロデューサー、サム・テイラーの手腕の高さによるところも大きいでしょう。
今回ピックアップした「No Problems」は、バンドの個性が最大限に凝縮された、7分以上に及ぶ長尺のチューンです!疾走感のあるリフの向こう側に、突如として、極上のポップセンスに彩られた、破壊力抜群のフックを持つメロディが現れる構成には、ハッとさせられますね〜。
緻密な人力コーラスと摩訶不思議なコードテンションは、イット・バイツとかハーレム・スキャーレムあたりに近いセンスを感じますし、ブルースハープを突然導入したりと、個性的なアレンジングも俊逸です。90年代のヘヴィネス組の中では、もっと再評価されるべきバンドだと思いますので、改めてストリーミングで遡ってほしいですね!
ぜひ、一度聴いてみてください!
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