※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
ドイツのスラッシュ・メタル・バンド、デストラクション(DESTRUCTION)が、2022年4月8日、約2年10ヶ月ぶり15枚目のニュー・アルバム『Diabolical』をリリースしました。
アルバムからの先行シングル曲「State of Apathy」を以前レビューしましたが、それから約8ヶ月後の新作登場になります。
マイク脱退という衝撃の展開からの新作ですので、シュミーヤもデストラクションはまだまだ続いていく決意表明として、早めに音源を公開したかったのでしょう。
さて、全曲が届いたわけですけど、基本的には先行曲を聴いた時の印象と変わらず、そしてシュミーヤだけが残った衝撃の結末とはいえ、バンドの永き歴史で培われたデストラクションらしさは確かに感じられるでしょう。
ランディ・ブラックは、惚れ惚れするくらいに馬鹿巧いドラミングを披露してますし、マイクの後釜という重責を担うマーティン・フュリアとダミアによる、ツインギター体制も、バンドの中で確実に機能しています。
楽曲も怒涛のスラッシュ一辺倒で押すだけでなく、より普遍的なメタルテイストを醸し出すようなチューンも用意され、盤石の内容と評されてもおかしくはないと思います。
ただ、長年デストラクションのスラッシュに身を委ねてきたからこそ、敢えて苦言を呈すなら、トリオ編成からツインギターの4人体制になり、演奏も格段に向上したことで、整合性が増しすぎて(贅沢な悩みですけど)、デストラクションらしさが少し薄れていき、ごく普通の高品質なスラッシュ・メタルに近づきつつある危惧を感じます。
もちろん、シュミーヤがいるからこそ、未だ”らしさ”はそこはかとなく残っていますけど、マイク独特のリフワークやソロの持っていきかた、トリオならではの間など(特にライヴにおいて)、随分と変わったなあという部分があるのも否めません。
ガンガンに音圧がかかった機械のようなサウンドではなく、うまく表現できませんが、どこか人間らしい少し緩さもあるオーガニックな味わいが、マイクを含んだトリオ編成でのデストラクションの魅力だったので、その点では曲によっては一瞬違うバンドのように聴こえてしまう瞬間があったのも事実で、、その点だけは少し考えさせられましたね。
今回はアルバムから「No Faith Humanity」をピックアップしました!これはキメキメなイントロを聴いてすぐわかるように、80年代の4人体制だった「Release From Agony」の2022年版といった激速スラッシュ・チューンです!ツインギターの魅力も詰まってますし、アルバムで数曲ある激烈チューンの中でも、特に馴染みやすい一撃に仕上がってます!
それにしても、昨日のトリートといい、ジャケがひどいなあ、、(汗)、まあストリーミングならあまり気になるポイントではないかもしれませんね。
聴いてほしい度
82%
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