※生きる養分、大好物のメロハー曲を紹介していきます!
アメリカのメロディアス・ハード・ロック・バンド、21ガンズ(21 GUNS)が、1991年にリリースした1枚目のアルバム『Salute』の2曲目に収録。
シン・リジィのギタリストとして永く活躍を続けたスコット・ゴーハム。とりわけ70〜80年代には愛器レスポールをトレードマークに、数々のツインリードの名演を奏でてくれましたが、周知の通り86年のフィル・ライノット死去により、シン・リジィは一度解散に至ります。
スコットは音楽プロジェクトであるフェノメナに参加しますが、アルバム『Dream Runner』フェノメナⅡで出会ったリーフ・ヨハンセン(B,Key)、マイケル・スタージス(Ds)とともに結成したのが21ガンズでした。ちなみに、この作品には山本恭司も参加していますね。
リーフとマイケルは80年代にA-haのツアーに参加していました。マイケルはのちにエイドリアン・スミスとのサイコ・モーテルやウイッシュボーン・アッシュ、エイジアでも活動してますね。そしてシンガーのトーマス・ラ・ヴェルディは、 日本盤も発売されたA440というバンドで活動していました。
スコットのシン・リジィ後のバンドということで、シン・リジィ風のハード・ロックを期待する向きもあったでしょうが、アメリカ西海岸で録音されたサウンドは、シンセもフィーチャーされた本格的なアリーナ系のアメリカン・ハード・ロック、メロハーに仕上がっていました。
考えてみるとスコットはアメリカ人ですし、メロディアスなドラマ性のあるフェノメナの音楽性を通過したことで、21ガンズが標榜するシン・リジィと敢えて異なる方向性にシフトしたのは、自然な流れだったのかもしれません。
今回ピックアップした「These Eyes」は、アルバムの中でとりわけ叙情的で美しいメロディを堪能できる珠玉のハード・ロック・チューンです!抜群の歌唱力でテッド・ポーリーを彷彿させる逸材のトーマスが、情感たっぷりに歌い上げるサビのフックの強さは、コーラスワークも含め特筆すべきものがありますね。
空間系のエフェクトをたっぷりかけたスコットの美麗でエモーショナルなギターワークも流石の貫禄ですし、イントロでのシンセのエスニックなリフレインもなかなかユニークな色合いを醸し出しています。
質の高い作品ですけど、いかんせん93年という時代が悪かったですね。派手さはないものの再評価に値するバンド、作品だと改めて感じました!
ぜひ、一度聴いてみてください!