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【新作レビュー】メガデス(MEGADETH)『The Sick, The Dying… And The Dead!』

※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!

 

アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、 メガデスMEGADETHが、2022年9月2日、約6年半ぶり16枚目のニュー・アルバム『The Sick, The Dying… And The Dead!をリリースしました。

 

アルバムからの先行曲のひとつ「We'll Be Back」があまりに素晴らしく、以前のコラムでも絶賛したんですけど、期待度Maxの状態でついにアルバム全曲がストリーミングでも公開されました〜。

解禁時間(ストリーミングではちょうど日付が変わった深夜0時ですね)に早速聴いてみたんですが、これぞインテレクチュアル・スラッシュの極み!と言えるサウンドに支配された期待通りの会心作に仕上がっていました〜。ネット上ですでに聴いたメタルファンの反応もほぼ絶賛モードでしたね。

 

どこから聴いてもメガデス!の刻印がきっちりと押されており、やはりデイヴ・ムステインの存在こそがメガデスなんだ、と言う当たり前の事実に改めて気づかされます。デイヴ・エレフソン不在の痛手は正直全く感じられません。

 

サウンド面では単純にBPMの速い楽曲も多いんですが、前作以降にバンド内外起こった、ムステインの咽頭ガン、エレフソンの解雇、コロナによるパンデミックウクライナ戦争等々、、様々な困難を怒りに変えた結果が、本作のベテランとは思えぬ激しさ(ムステインはもうすぐ61歳とは信じられません!)、初期を思わせる圧倒的な緊張感を生み出したように思えますね。

 

ムステイン自身、バンドが若返ったと語っていますけど、ゲストプレイヤーのスティーヴ・ディジョルジオ(B)はともかく、キコ・ルーレイロ(G)、ダーク・ヴェルヴューレン(Ds)と言うハイレベルなプレイヤーの功績も計り知れないでしょう。

 

最近のライヴ映像を見るとムステインが病後もあってか、高い声が出ない分少し歌いずらそうにしているのを確認できます。本作でも元々とうとうと唸るような唱法とはいえ、以前にも増してメロディの高さや抑揚をつけづらいように感じられるものの、キコ、ムステインが縦横無尽に流麗なメロディで奏でまくったギターをぶっこんでくるので、楽曲に起伏が生まれ気になりません。

 

そして、以前も書いたダークのドラミングスタイルは初期回帰を印象づけるキーポイントですね〜。ガル・サミュエルソンタイプ?と言うか、細かいオカズの入れ方や速いリズムのタイム感が絶妙でなんとも心地よく、タイトに引き締まったインテレクチュアル・スラッシュの根幹を支えています。

 

楽曲の歌詞のテーマも、それぞれ相変わらず深みがあり、今回は連続モノのMVも含め、ラトルヘッド君のジャケも眺めながら、その世界観を味わえそうです。ということで、ストリーミング推しでメタルを紹介している本ブログですら、CDを買う価値がある貴重な作品として認定したいですね(笑)。

 

ちなみにデッド・ケネディーズのカヴァーとサミー・ヘイガー!との共演のボーナストラック2曲が入っており、ストリーミングでも聴けますけど、本編が12曲もあるので続けて聴くと蛇足なのは否めません。濃密な作品だけに本編ですら10曲程度で良かったように思えます。

 

どれもいい出来なんですけど、今回はアルバムからオープニングのタイトル曲「The Sick, The Dying… And The Dead!」をピックアップしました!冒頭からガツンと来ないので、アレッ?大丈夫?と不安を駆り立てられますが(笑)、この起伏のある一風変わったリズムとリフ、コードワークはメガデス以外の何物でもなく、一気にアルバムの世界へと引き込まれます!

 

聴いてほしい度

90

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The Sick, The Dying… And The Dead!

The Sick, The Dying… And The Dead!

  • provided courtesy of iTunes

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