※これぞ80s!のイメージなヘア/グラム/LAメタル/R&R系を紹介していきます。
アメリカのハード・ロック・バンド、プリンセス・パング(PRINCESS PANG)が、2009年にリリースした1枚目のアルバム『Princess Pang』の1曲目に収録。
ブライアン・スラゲル主宰のアメリカ・メタルブレイドといえば、昨今では純粋なメタルバンドのリリースに拘った硬派レーベルのイメージが強いですが、よくよく調べてみるとメタルブレイドっぽくないリリースをたま~に見かけます。
このプリンセス・バングはそうしたバンドの典型で、レーベルの歴史では異色のリリースのひとつといえるでしょう。ジャケットに写ったメンバーのアー写からして一目瞭然ですけど、もちろんゴリゴリのメタルではなく、ブルージーな香り漂うスリージー、バッドボーイズ系のハード・ロックンロールを聴かせてくれます。
80年代末期でガンズが大ブレイク中のシーンでしたから、メタルブレイドにしてもそれっぽいバンドに色気を持ってピックアップしたのかもしれません。バンド自体の成り立ちは少々異色で、86年にニューヨークで女性シンガーのジェニ・フォスターとスウェーデン国籍を持つロニー・ローズの出会いによって始まりました。
2人がスウェーデンを訪れた際にさらにメンバーが増え、アメリカに戻りフィンランドのメタルバンドのメンバーを加入させるなど、アメリカと北欧を股にかけたユニークなラインナップが完成しました。
黙って聴いていると、アメリカの同系のバンドと何ら変わらないサウンドで、国籍による個性は正直感じないんですが、ポイントはこの手のバンドには珍しく、女性がヴォーカルを取っている点でしょう。ジェニは女性らしい艶のあるヴォイスを聴かせつつも、必要以上に女性を強調しない自然体な歌唱が実に心地よく、バンドサウンドにハマっています。
今回ピックアップした「Trouble In Paradise」は、アルバムのオープニングを飾るスリージーでノリの良いハード・ロックンロール・チューンです!個性を放つジェニの歌唱を十分に堪能できるでしょう!
結局、日本盤も出ずに初めてのツアー後の90年に、活動自体は短命で終わってしまいましたが、状況次第ではもう少し注目されてもよかったと思えますね。
ぜひ、一度聴いてみてください!