※生きる養分、大好物のメロハー曲を紹介していきます!
スペインのメロディアス・ハード・ロック ・バンド、91スウィート(91 SUITE)が、2022年にリリースした3枚目のアルバム『Back In the Game』の3曲目に収録。
「情熱の国」スペインのメタルバンドを頭の中に想起すると、その昔のバロン・ロッホをはじめ、やたらと濃ゆ~いバンド群をイメージしがちだっただけに、2001年に91スウィートが登場した時には驚かされました。
何せ先入観なしで黙って聴くと、スペイン産とは到底思えぬボン・ジョヴィ辺りの影響が香る本格的なメロディアス・ハード系のサウンドでしたからね。その後、エアレスをはじめ、スペインにも良質なメロハーが潜んでいることが次第にわかってくるわけですが、先駆者のひとつとして91スウィートは重要な価値のあるバンドといえるでしょう。
スペイン産らしからぬ、といいましたけど、爽やかさと叙情性を同居させながら、これでもかと繰り出される美しいメロディの洪水はある意味「情熱的」であり、スペイン産ならではなのかもしれません。
日本のメロディ愛好家、メロハーマニアにも絶賛され、2005年にこれまた良質な2枚目を出すも、そこから音沙汰がなくなってしまい、、、記憶から忘却しそうなところでまさに久々の本作がリリースされました。
まあ実のところ、2019年に6曲入りEP『Starting All Over』、さらに2020年には配信限定シングル「Sunrise of Your Love」がリリースされており、ニューアルバムといえど、実はその7曲が丸々収録された後に、さらに7曲が追加された構成の、準新作といった変則形式のアルバムになっています。
アルバムを通して聴くと、EP、シングルの前半7曲が圧倒的な出来栄えで、後半の新曲は多少アーシーな風味が感じられる曲も散見され、あくまでも比較ですけど、少々劣る印象は否めません。それでも、こうして創作を継続してくれていることは嬉しいですね。
今回ピックアップした「Nothing Left for Us」は、良曲揃いで迷うEPからの1曲で、心に染み入る叙情的なメロから突き抜けるように、澄み渡る爽快感を伴いフックに満ちたサビメロへと展開していく、良質なメロディアス・ハード・チューンです!
この曲に限らず各曲で聴かれる、テクニックと流麗な美メロを黄金比で同居させた、ツボを得たギターソロの凄みたるや!91スウィートの大きな武器と言えるでしょう!
ぜひ、一度聴いてみてください!