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【新作レビュー】 ロブ・モラッティ(Rob Moratti)『Epical』

※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!

 

2022年12月9日、カナダのメロディアス・ハード・ロック・シンガー、ロブ・モラッティ(Rob Moratti)の約2年ぶり5枚目アルバム『Epical』がリリースされました。

 

発売から少し経ってしまいましたが、メロハー好きにとっては今年最後の注目作登場といえます。「エピカ」ならぬ、「エピカル」と題された本作は、2011年のデビュー以来、この約10年間ちょいですでに5作を数え、文字通りコンスタントな創作活動を続けています。

 

ファイナル・フロンティア、サーガといった、バンドにおけるシンガーとしてのキャリアよりも、ソロとしてのキャリアが板についてきた感があります。何よりソロデビュー以来、その音楽性に驚くほど一切のブレがなく、徹底して美メロディを追求しつつ、メロハーの理想郷といえるサウンドを歌い続けている点は、何より好感が持てますね。

 

カナディアンロッカーゆえか、ヨーロッパのアーティストほど叙情的でなく、他方でアメリカのアーティストほどカラッと爽快でなく、両者が巧みの織り交ざった絶妙のバランスが感じられるのもいいですね~。同郷のスタン・ブッシュにも通ずる、メロハー職人としての意地が感じられます。

 

今回も作風的には恐ろしいほど潔く、全く変化なし!冒頭から最後まで、どこを切ってもまさにメロハーの金太郎アメ状態!(笑)。それにしても、これだけメロディに拘り、平均点以上の楽曲を生み出し続けているのは(外部ライターを使うにせよ)、ほんと驚異的で頭が下がる思いです。

 

変化と言えば海外のレーベルが、今回はこれまでのエスケイプ、AORヘヴンからフロンティアーズに移ったというくらいでしょうか。聴感上はいかにも人工甘味料増量しました的な(意味不明?)フロンティアーズらしいプロダクションですけど、、従来作とひと味異なるパワフルな感触もあり、それほど気になりません。

 

周囲を固めるバック陣も、ホワイトスネイクのジョエル・ホークストラ(G)、トニー・フランクリン(B)、元アート・ネイションのフェリック・ボルグ(Ds)、元ストリート・トークのフレドリック・バーグ(Key)と、フロンティーズ人脈中心の好メンバーがスキのない仕事ぶりで、良曲の数々を演出しています。年末にまったりリピートして楽しめるメロハーとして、重宝しそうですね!

 

ほんと、どの曲も平均点クリアで、いい意味でキメ曲に欠けるくらいですので、今回はリードトラックと言える1曲目に収められた極上のメロハー / 産業ロック・チューン「Can I Hold You for a while」をピックアップしました!確実なフックを放つメロディを、ロブが味わい深いヴォイスで歌い上げており、彼の素晴らしい音楽性を堪能するきっかけには最適でしょう。

 

この曲のMVがApple Musicに上がってますけど、絵にかいたようなベタな洋物ラブソング風味の映像で、なかなかこっ恥ずかしいですね。。カラオケの映像に流れそうな感もあります(笑)。歌唱シーンが差し込まれるロブも、普通のおじさん風情を晒していいのか?疑問を感じますけど(笑)、楽曲が良いのでギリギリセーフでしょう!

 

聴いてほしい度

88

Can I Hold You for a While

Can I Hold You for a While

  • Rob Moratti
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

MVはこちら!

Can I Hold You for a While

Can I Hold You for a While

  • Rob Moratti
  • ロック
  • ¥407

アルバムはこちら!

Epical

Epical

  • Rob Moratti
  • ロック
  • ¥1681