※これぞ80s!のイメージなヘア/グラム/LAメタル/R&R系を紹介していきます。
アメリカのハード・ロック ・バンド、クライ・ウルフ(CRY WOLF)が、2010年にリリースした3枚目のアルバム『Twenty Ten』の10曲目に収録。
80年代半ばにサンフランシスコで結成されたクライ・ウルフは、とりわけ日本のHM/HRファンにとって思い出深く、馴染みあるヘア・メタル・バンドといえるでしょう。
何せ87年に本国で制作された音源が4曲入りEPとして(なぜか両面同じトラック)、89年に新宿レコードのレーベルから日本独自にリリースされましたからね。さらに同年エピックソニーから、こちらも日本オンリーで今度はデビューフルアルバムが、一部収録曲が被りつつもリリースされました。
80sのヘア・メタル系もシーンが煮詰まった頃で、本国では次第に厳しくなってきた半面、まだ十分に需要があった日本のマーケットで、日本発という形で変則的に逆輸出されていったのは興味深い現象でした。
日本初の作品はそれぞれメンバーのアー写をドン!とフィーチャーしていますが、非凡なルックスから女性ファンを取り込む要素が大きかったですね。さらに日本人好みのキャッチーで良質なハード・ロックで、ライトなHM/HRファンにアピールできた点も大きかったでしょう。
筆者も当時の来日公演に行きまして、スティーヴ・マックナイト(G)のシュレッド炸裂のギタープレイを楽しみにしてたんですね。ところがティミー・ホール(Vo)らメンバーに向けて、女性ファンがキャーキャーと歓声を上げているのを見て、想像と違った方向の人気ぶりに驚いた記憶があります。実際にイケメン揃いでしたね。
そんな日本の状況は本国にまったく伝播せず、、結局本国では日本盤とトラック違いのデビュー作が1枚出ただけで自然消滅してしまいました。日本発の作品ゆえか、当時の音源はストリーミングでは残念ながら現時点で聴けません。
検索して出てくるのが、2010年にひっそりと発表された本復活作でした。バンドロゴも違うし、ジャケのメンバーの髪が無くなってるし(汗)、違うバンド?と思いきや、ティミーもスティーヴもいて、あのクライ・ウルフじゃないですか。ただし、ただしサウンドの方は10年遅れのモダンヘヴィネス紛いのテイストで、、う~ん正直厳しいですね。
そんな中でも今回ピックアップした「Angel Cry」は、比較的ではありますけど、メロディや全体の雰囲気がかつての面影を残すアメリカン・ハード・ロック・チューンです!跳ねるようなリズムとか、80sのヘア・メタルっぽさも多少感じられるでしょう。
まずは、早く当時の作品がストリーミングでも聴けるようになればいいですね!
ぜひ、一度聴いてみてください!