※思わず一人モッシュしたくなる!スラッシュ / デス・メタル系を紹介していきます。
オランダのデス/スラッシュ・メタル・バンド、ペスティレンス(PESTILENCE)が、1989年にリリースした2枚目のアルバム『Consuming Impulse』の1曲目に収録。
ペスティレンスは一時期ストリーミング解禁のアルバム数が減ってたんですけど、久々に見ると契約更新で復活していたので、今回は改めていってみましょう~。
80sのスラッシュムーブメントが進み、サウンド,歌詞が過激さを増していく中で、デスヴォイスという手法が生まれ、アメリカからスラッシュ上がりのデス・メタラーが続々と登場しました。一方でヨーロッパにおけるデス・メタルのパイオニアのひとつといえば、このベスティレンス辺りが想起されるでしょう。
86年にオランダのエンスヘデで結成されたペスティレンスは、総帥のパトリック・マメリ(Vo,G)を中心に、当初はスラッシュ・メタルの影響下にあるサウンドを標榜。ロードランナーから88年にリリースしたデビュー作にしても、デス・ヴォイスではなく強くガナるような唱法で、未だスラッシュ色が強いものでした。
そこからバンドもレベルアップを図り、デス・メタル濃度をより高めたのが本作でした。パトリックも悲壮感すら漂うデス声(当時聴いた時は驚きというか正直笑ってしまいましたけど)に変貌しており、楽曲、パフォーマンス、ハリス・ジョーンズによるプロデュースと、全てにおいて前作を超える作品に仕上げました。
今回ピックアップした「Dehydrated」は、スラッシュ譲りの激走と圧倒的なアグレッションが炸裂する、怒涛のデスラッシュ・メタル・チューンです!息をつかせぬ展開の中で、何度も繰り返すブレイクが何ともクールですね〜。のちにプログレッシヴな要素を取り入れたデス・メタルへとシフトしていくだけに、その安定した演奏力も特筆ものでしょう。
89年と言えばアメリカではオビチュアリーがデビュー作をリリースしたタイミングですから、ペスティレンスがいかに欧州で先行していたのかわかります。ある意味デス・スラッシュ史の重要な1枚であるにかかわらず、当時は専門誌の評価も低く、日本盤も発売されませんでした。文字通りの蟻地獄ジャケット!が災いして、先入観で聴かず嫌いになったのかもしれませんね。
ぜひ、一度聴いてみてください!