Streaming for METAL !

音楽ストリーミングサービス・サブスクで、ヘヴィ・メタル、ハード・ロックを味わい尽くそう!

【R.I.P.】アルジー・ワード(Algy Ward)/ タンク(TANK)

タンク(TANK)のシンガー・ベーシスト、アルジー・ワード(Algy Ward)が、2023年5月17日、63歳で亡くなりました。

 

「タンク」そして「アルジー・ワード」という言葉を耳にすると、NWOBHM臭を強烈に感じますよね。そんなアルジーの訃報というのは、年齢からしてもあまりに早すぎますし、NWOBHMから長い時間が経過したのを、改めて実感させられる残念な知らせでした。

 

モーターヘッドの弟分としてその名を刻むタンクですけど、トリオというメンバー一人ひとりにかかる比重が高い編成の中で、特異なキャリアを持つアルジーの個性そのものが、タンクならではのメタルを形成していたのは間違いありません。

 

改めてアルジーのキャリアを振り返ると、1977年にオーストラリアのパンクロックバンド、ザ・セインツに加入。さらにその解散後にはイギリスのパンク・ロック・バンド、ダムドにベーシストとして加入。短期間ながら79年のアルバムでプレイし、その中で同作に参加したレミーらに影響を受け、同時期に勃発したNWOBHMの波に突入していったんですね。

 

かつてメタルと対峙していたパンクからメタルへと、アルジー自身が軸足を移していったわけです。そうした彼が経てきた音楽的なバックボーンがあるからこそ、単にモーターヘッドの弟分の一言で片づけられない個性と魅力が、タンクサウンドに色濃く反映されていったのでしょう。

 

99年日比谷野音でのNWOBHMイベントで見せてくれた雄姿が、個人的には最初で最後で、あの場にいた日本のHM/HRファンの多くもそうだったでしょう。たとえ1度でもアルジーの野太い漢の歌声とベースプレイを直接体感できたあの瞬間は、貴重な機会だったわけですね。

 

追悼の1曲として、本来ならば漢の中の漢メタル「War Drags Ever On」辺りを聴きたいところですが、リレコヴァージョン以外はストリーミングでまだ解禁されていません。この辺りも含めたアルジーの業績が広く聴けるようになることを希望しつつ、今回はデビュー作にして代表作『Filth Hounds of Hades』から「Turn Your Head Around」を聴きながら、ご冥福をお祈りしたい思います。

 

R.I.P. Algy Ward

Turn Your Head Around

Turn Your Head Around

  • タンク
  • メタル
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

 

以前のコラムはこちら