※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2023年5月26日、アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、メタル・チャーチ(METAL CHURCH)の約4年半ぶり13枚目のアルバム『Congregation of Annihilation』がリリースされました。
昨日追討した元ドラマーのカーク・アーリントンの訃報とほぼ時を同じくして、メタル・チャーチの新作がリリースされたので今回レビューしていきましょう。勿論カークは本作で叩いていませんし偶然の重なりではありますが、前作まで歌っていたマイク・ハウ逝去後初のオリジナル作でもあり、彼らが創り上げてきたメタル・チャーチの歴史を継承していく上で、何か運命的なものを感じる1作ですね。
現在のラインナップはマイクの後任として、昨年夏に加入した元ロス・ザ・ボスのマーク・ロペス (Vo)、総帥カート・ヴァンダーフーフ (G)、リック・ヴァン・ザント (G)、スティーヴ・ウンゲル (B)、ステット・ハウランド (Ds)となっています。
注目のマークは、力強さと熱さを感じさせるボーカルスタイルで、時に超音波ハイトーンも繰り出し、メタル・チャーチのサウンドへのマッチング度合いはかなり高い人選だったと言えるでしょう。
楽曲の方向性はどこを切り取ってもメタル・チャーチそのもの。適度にヘヴィでダーク、パワーとエッジを失わない1本ビシッと芯の通った”ちょうどいい”、ありそうでなかなか存在しない正統なるヘヴィ・メタルは、ある意味伝統芸と言える貴重なものと言えますね。
その中でもカートの「ルーツに立ち返った」という言葉通り、今作は比較的初期作に回帰したようなテイストが見受けられます。アップテンポのリフとリズムで攻め込むナンバーが多く、近作にあったやや冗長なナンバーが少ないのも嬉しいところで、前半の畳み掛け方は実にお見事!
敢えて言えば、ちょっとくぐもったようなプロダクションは、本来のエッジを削いでいるように感じますし、キメとなる圧倒的な1曲が欲しいところでしたが、現状のベストを尽くしながら、メタル・チャーチの伝統を繋いでいく意味では、十分に価値のある一撃と言えるでしょう。
今回はオープニングを飾る「Another Judgement Day」をピックアップしました!アップテンポで勢いよく攻め込むヘヴィ・メタル・チューンで、不穏なリフワークとタイトなリズム隊、マークの強烈なシャウトが、聴くものを80sUSパワーメタルの世界へと誘います!
聴いてほしい度
82%
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