日本のハード・ロック・バンド、 BOWWOW(バウワウ)/ VOW WOW(ヴァウワウ)のドラマー、新美俊宏さん が、2023年5月27日、66歳で亡くなりました。
今朝方、ツイッターのトレンドワードに「VOW WOW」がランクインしていて、何のニュースかな?思ったところ、予期せぬ突然の訃報に動揺してしまいました。。というのも、この6月、8月とBOWWOW G2名義でイベントライヴへの出演が予定されており、ドラマーが新美さんじゃないので、そういえば今どうしてるんだろう?とちょうど個人的に気になっていた矢先だったんです。。
山本恭司さんがツイッターでコメントされているように、今年の5月に入って体調の異変を感じて検査したところ、すでに全身ガンに侵されていたようで、、それからわずか1か月もたたずに残念すぎるニュースが届いてしまいました。。
考えてみると、BOWWOWとVOW WOWへと繋がる栄光のバンド史を、一貫して恭司さんとともに全て駆け抜けたのは、新美さんだけでしたね。音楽性が変化する中でも、新美さんの個性あふれるドラミングは、両バンドを象徴する顔になっていました。
多くのタムをズラリ並べた要塞のようなワンバスドラムセットからして、その凄みが伝わってきましたけど、そのセットを巧みに操る多彩なドラムフレーズは、恭司さんの繊細なギタープレイに完璧にマッチしていましたね。日本のドラマーならではの緩急あるドラミングは特筆すべきものでしょう。
同時に、あのスリムな身体のどこに力が内包されているのか不思議なほど、どでかい音を鳴らす、パワフルでワイルドなドラミングも魅せてくれました。しなやかさと力強さを兼ね備えたハード・ロックドラマーはなかなか存在するものではありません。佐野賢二さんとのリズム隊も最高でしたし、ニール・マーレイのような世界レベルのベーシストにも堂々と渡り合っていましたからね。
HM/HRジャンルでワンバスドラムを貫いた樋口宗孝さんとともに、日本のHM/HRドラマーの2大レジェンドがすでにこの世にいないのは悲しいことですが、残してくれたたくさんの音源や叩く雄姿を収めた映像があります。何度聴いたかわからないBOWWOW、VOW WOWですけど、ドラムにフォーカスしながら、改めて味わってみたいと思います。
両バンドを通じて新美さんの名演は多く迷うところですが、今回の追悼の1曲は『CYCLONE』から「Hurricane」をピックアップしました。楽曲の流れ,構成を的確にとらえた手数の多いドラミングが、イントロからエンディングまでスリリングなムードを完璧に構築しています。この曲を聴きながら、新美俊宏さんのご冥福をお祈り申し上げます。
R.I.P 新美俊宏さん
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