※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2023年6月3日、イギリスのヘヴィ・メタル・バンド、ブラック・サバス(BLACK SABBATH)のライヴアルバム『Live Evil(40th Anniversary Edition)』がリリースされました。
サバスファンにはお馴染み、ロニー・ジェイムズ・ディオ、ヴィニー・アピス在籍時の83年に発表した、2枚組ライヴアルバムの発売40周年を記念するスーパーデラックスエディションが登場しました〜。80年のライヴ作『Live at Last』がメンバーの許諾を得ないままにリリースされた経緯から、サバス初のライヴアルバムの位置付けとも言えるので、40周年を祝うに相応しい作品と言えるでしょう。
これまでCDで幾度も再発されてきましたが、2枚組のLPをCD1枚の収録時間に無理やり収めたことで、カットされる箇所が発生してしまうなど、ファンとしては消化不良の再発もありました。今回は元音源をリマスターし、CD2枚を使い再現されていますね。
加えて今回のエディションの目玉は、長年のバンド仲間であるウィン・デイヴィスによるリミックス音源がプラスされている点です。このリミックスがいい感じなんですよ〜。まるで曇りが取れたようにクリアでいい意味で音圧も現代風にアップし、当時のサバスの躍動感が生々しく伝わってきます。
細かいフレーズのニュアンスまで耳に迫って伝わってきますし、こんな音が入っていたのかという発見が色々とできそうですね。オリジナル音源と同トラックですから、1曲ずつ、その違いを聴き比べるのも面白いでしょう。多少MCをカットしてますけど、そこに目をつぶれるほど出色なリミックスに仕上がっています。観客の臨場感も凄いですしね。
それにしても、改めて聴くとロニーの歌が言うまでもなくひたすら素晴らしく圧巻ですし、ヴィニーもハツラツとしたプレイを聴かせてくれます。御大トニー・アイオミ、ギーザー・バトラーも脂の乗り切ったプレイで、82年の『The Mob Rules』全米ツアーの充実ぶりがダイレクトに伝わってきます。
今でこそ伝説的な時代、ラインナップとして捉えられてますけど、当時はレインボーを離れたロニーが、オジーの後釜としてサバスに参加したことを、肯定的に捉えていない風潮も、日本のメタルファンの間に多少あったように思えます。このライヴ盤に対する洋楽誌のレビュー評価もそんなに高くなかったと記憶してます。
確かにオジー時代の名曲の数々をロニーが歌うヴァージョンに、ある種の違和感がないとは言えませんけど、それすらも覆い隠すほどにロニーのパフォーマンスが強力なので、オジー、ロニー時代を通じたある種ベスト的な作品としても、歴史的な価値の高いライヴ作と言えるでしょう。
とは言え、今回はやはりハマり具合が違うロニー時代の楽曲から「The Mob Rules」をピックアップしました!リミックス効果で迫力が段違いですし、ヴィニーのドラムにもよるのでしょうが、ディオへと繋がるテイストがより強く感じられるのもいいですね。
パッケージの方はコンサートパンフやポスターのレプリカやブックレットなど、各種おまけも豪華ですし、ストリーミングで気に入ったら購入して損はないでしょう!
聴いてほしい度
85%
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