日本のハード・ロック・バンド、プレゼンス(PRESENCE)・グランド・スラム(GRAND SLAM)他で活躍したギタリスト、白田一秀さんが、2023年7月30日、60歳で亡くなりました。
え、まだ若いのに!?白田さんの訃報を目にして、すぐに思ってしまいました。白田さんのSNSを見ると、近況もアップされていますし、再結成したプレゼンスも含め、年始にはライヴをガンガンやっていくとの力強いメッセージもあっただけに。なんとも切なくなります。。ニュースによると死因が脳出血とのことで、誰もが予期せぬ突然の訃報となってしまいました。
80年代のジャパメタシーンを牽引し、”RUDDIE”の愛称で親しまれた名ギタリストの一人だけに、多くの同志たちからもメッセージがSNSを通じて発信されています。プレゼンスの西川茂、恩田快人、グランド・スラムのオフィシャルといった自身のバンドメイト、44マグナムのJIMMYやJOE、X-RAYのOZMA、ヴォルケイノの屍忌蛇をはじめ、枚挙いと間がありません。
プレゼンスに始まり、グランド・スラム、ダイダ・ライダ等、白田さんは80年代から2000年を超えてもジャパメタシーンの最前線で、クールなギターを奏で続けました。その卓越したテクニックの凄さは勿論のこと、女性、男性ファン問わず夢中にさせる、ステージでの弾き姿の格好良さは、他の日本人ギタリストになかなか真似できないものでしょう。
80sの関西メタルシーン秘密兵器として、メジャー進出が本当に待たれたプレゼンスでしたが、ようやくメジャーデビューしたのが87年。すでにジャパメタムーブメントもピークアウトしており、プレゼンス自体もスタジオ作3枚、ライヴ作1枚のみで解散してしまいます。
あの時、後2、3年早くメジャーを通じて全国進出していれば、プレゼンスも白田さんのギタリストとしての存在も、もっと大きなものになっていたように思えてなりません。サウンドでもヴィジュアルでも日本人離れしたセンスで魅せる、魅了する稀有なギタリストだっただけに、より広く高い評価を受けたはずなのは間違いないでしょう。
現時点では残念ながら、プレゼンス、グランド・スラムの楽曲は、いずれもストリーミングでは一切解禁されていません。この機会に、気軽にストリーミングでも聴けるようになるように切に願いたいものです。
今回は白田さんに関連した音源では、ストリーミング(Apple Music)で聴ける数少ない音源で、以前は大谷レイヴン関連などでもご紹介しましたが、2002年発売のジャパメタ系アーティストによるコンピレーションアルバム『Skill and a Shout it lets out』から「またいつか君と・・・」をピックアップしました。
約7分半にも及ぶ哀愁に溢れたハードなロッカバラード・チューンで、プレゼンスの西川との熱きパフォーマンスが存分に味わえるでしょう。白田氏の鎮魂歌としても、その渾身のギタープレイに耳を傾けたいものです。この曲を聴きながら、白田一秀さんのご冥福をお祈り申し上げます。
R.I.P 白田一秀さん