※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2024年4月26日、アメリカのデス・メタル・バンド、ディーサイド(DECIDE)の約6年ぶり13枚目のアルバム『Banished By Sin』がリリースされました。
本国での発売から少し時間が経過していますが、日本盤が5月31日に発売されたばかりということで、今回はディーサイドの新作をレビューしていきましょう~。
グレン・ベントン先生も今や56歳ですか~。かつてキリストと同じく33歳になったら氏ぬ、という衝撃発言をして話題になりましたけど、それからも変わらずディーサイドで活動を続けてくれているのは素直に嬉しい事ですよね。
これまでほぼ2~3年スパンでアルバムを制作し、長くても5年でしたから今回は最長のスパン、さらにはコロナ禍を経ての最新作になります。コロナ明けでどのバンドよりも早くライヴ活動を開始していましたし、そのクリエイティヴィティにいささかの衰えもないのでしょう。
ラインナップはグレンと、バンドの創始者で一貫して在籍する名手スティーヴン・アスハイム(Ds)のご両人に加え、ケヴィン・クイリオン(G)、そして新加入のギタリスト、テイラー・ノードバーグとなっています。
今作はずばり「90年代のサウンドへの回帰」と謳われていて、ホンマかいな?と思いつつ1周したんですが、なるほど!確かにそのうたい文句に納得できるほどの会心作に仕上がっています!
デス・メタルの帝王らしい邪悪極まりない世界観をこれでもかと示し塗り込めつつも、不思議なほどにスカッと爽快(似合わない表現ですけど笑)、後味の良い(笑)聴後感抜群の音像なのがいいですよね~。
ザクザク小刻みまくりのリフひとつ、グレンの吐き出すメロディの譜割り(といっていいかわかりませんが)ひとつとっても、変にドロドロ、ダラダラせずに一気に激走しながら、実にわかりやすく耳を刺激してくれます。
それを成り立たせているのが、タイト極まりない熟練の技が光る鉄壁の演奏力ですよね~。とりわけスティーヴンの高速ドラミングは凄まじい限り!グレンの存在が中心に語られがちですけど、スティーヴンはもっと高く評価されるべきドラマーだと再認識しましたね。
『Banished by Sin』と題された本作では、MassacreやInhuman Condition等、数々のデス・メタル・バンドで活躍してきたギタリスト、テイラー・ノードバーグが新加入。DeicideはいつでもDeicide。とは言え、今回のアルバムについてグレンは「90年代のスタイルへと回帰した」と明言しているのだから、ファンとしてはたまらない。ひたすら邪悪でブルータル。しかし、リフやメロディには明確なフックがあり、親しみやすくもある。これぞDeicideの真骨頂。Deicideマニアとしては、6年も待たされた甲斐があったというもの。まさに悪魔の王の帰還である!
今回はアルバムの6曲目に収録された、ドラゴンフォースがデス・メタルを演奏したみたいな?アルバム随一のメロディックなデス・メタル・チューン「Woke from God」をピックアップしました!
イントロから炸裂する扇情度の高いリードギターの美旋律にやられること請け合いでしょう。新メンバーのテイラーのプレイですかね?いずれにせよ、邪悪と美旋律の理想郷といいえる融合が聴けます!
聴いてほしい度
85%
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