※80年代中心にハマりまくったジャパメタあれこれを紹介していきます!
日本のハード・ロック・バンド、 ディファイアー(DEFYER)が、1990年にリリースした1枚目のアルバム『Treasure Land』の4曲目に収録。
80年代末から90年代初頭にかけて、日本の音楽シーンに旋風を巻き起こしたTV番組、通称「イカ天」ですが、そこからジャパメタ風味を醸し出すバンドも幾つか登場しましたよね。
以前ご紹介したラビット(RABBIT)はその代表格のひとつですが、今回取り上げるディファイアーも同じくイカ天出身。メロディアスなハード・ロックという点では、比較的ラビットに近いテイストが感じられるバンドといえます。
元々は法政大学のバンドサークルで結成されたというディファイアーは、斉尾 希成(Vo)、朝井 泰生(G)、鈴木 聡一(G)、栗栖 太郎(B)、松本 靖夫(Ds)というツインギターを擁する5人編成です。
1989年にイカ天に出演を契機に注目され、東芝EMIとのメジャー契約を獲得。イーストランド・レーベルからシングルでデビューを果たしました。前述のラビットが1989年にポニー・キャニオンから既にメジャー進出して注目されてますから、EMIとしても二匹目のドジョウを狙ったんでしょうね。
シングル2枚ののちにリリースされた本デビューアルバムのジャケットには、メンバーのアー写がド~ンと使われてますけど、粒揃いのルックスでブリザード辺りのイメージと被ります。ヘアスタイルと肩パットの角度がいかにも時代を感じさせるなあ(笑)。
肝心のサウンドの方は、歌謡曲ライクな甘いメロディが躍る、いかにもポップでキャッチーなフィーリングを湛えたわかりやすいハード・ロックで、メタルというにはソフト過ぎると感じるかもしれません。それでも各人の技量はしっかりしてますし、多声のコーラスワークを多用したアレンジは、ディファイアーの個性かつ武器と言えるでしょう。
いかにもジャパメタ風味のシングル「Loving Woman」辺りもいいんですが、今回ピックアップした「Step By Step」は、透明感のある爽やかなテイストが心地よい、メロディアスなハード・ロック・チューンです!
下降進行していくコード展開と分かりやすいメロディが嚙み合い、ポジティヴで甘く切ないフィーリングを醸し出しています。中間部の多少テクニカルな応酬や、フックのあるサビとお得意のコーラスワークを駆使して、後半に向けて熱く盛り上げる展開もいいですね~。
TV番組のタイアップ曲などもあったようですが、ブレイクには至らずアルバム1枚、シングル2枚で消滅。近年になってユニバーサルからまさかのCD再発が実現しました。
大半のソングライティングを担当した中心人物の朝井は、その後、J-POPや声優をはじめ、多数のアーティストの楽曲や編曲、プロデュースを手掛けて活躍しています。
ぜひ、一度聴いてみてください!