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2024年7月26日、スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンド、ドリーム・イーヴル(DREAM EVIL)の約7年ぶり7枚目のアルバム『Metal Gods』がリリースされました。
現代メタルシーンを代表する名プロデューサーの一人、フレドリック・ノルドストロームのアーティストとしてのライフワーク、ドリーム・イーヴルが久々に動き出しました。
現ラインナップは、ギターのリッチー・レインボー(笑)ことフレドリックと、ニック・ナイトことニクラス・イスフェルド(Vo)、ピート・ペインことピーター・スタルフォース(B)のオリジナル3人に加え、マーク・U・ブラック(G)、新加入のソーレン・ファルドヴィク(Ds)となっています。
加えてアルバムにはフレドリック人脈から、ヨナタン・トールペンベリ(ジ・アンガイデッド)、トミー・ヨハンソン(元サバトン)、クリス・アモット(元アーチ・エナミー、ダーク・トランキュリティ)が、リードギターとして参加していますね。
何といっても、タイトルが「Metal Gods」!と大きく出ましたから、「Book of Heavy Metal」以上にかなり敷居を上げてきた感がしますね。プリーストを意識したばかりでなく、メイデンやサクソン、マノウォーといった、優れたメタルを創造してきた「神」たちへのトリビュートの意味合いが込められているようです。
今回も当然、レコーディングはお馴染みスタジオフレッドマンで行われました。加えて自分のバンドということで、やはり他バンドをプロデュースする以上に気合が入ってまして(笑)、今回も徹頭徹尾スキのない作り込んだサウンドプロダクションを実現。メタルとして良質極まりない音像で申し分ありません。
楽曲は純度の高い「これぞヘヴィ・メタル」と言えるものがズラリ並んでいます。リフに次ぐリフで、メタルの教科書的な楽曲やアレンジが徹底されているのは、さすが数多の名作を生み出してきたフレドリックならではでしょう。
メンバーのパフォーマンスも過不足ないんですが、とりわけレコーディングとはいえニクラスの声に衰えがなく、20年以上前のデビュー時と印象が全く変わっていないのには驚かされました。
正統派ヘヴィ・メタルとしては申し分ない作品でしょうし、時間をかけただけあって、ここ2作に比べるとよく練り上げられた作品に感じますが、ガスG(G)やスノーウィー・ショウ(Ds)在籍の初期の作品群に比べると、メロディや楽曲の扇情度が低い点はやはり気になります。
ガスの流麗かつメロディックなフレーズと、スノーウィーの手数が多くタイトなドラミングが、王道のメタルの曲中に絶妙な色彩やアクセントを加えて、モロに日本人好みなサウンドを生み出していましたからね。各人のキャラも際立っていました。まあ、ヨーロッパのマーケットでは今作のような方向性が好まれるんでしょうね。
そんなわけで全体として及第点でも、初期にあったような必殺チューンが正直なく、一長一短なんですけど、今回はアルバムの5曲目に収録された「Fight In the Night」をピックアップしました!
ザクザク刻まれるリフがメタル度満点ですし、コード展開とか初期のムードが漂っていて、変にシンフォニックだったりメロスピみたいな風味があったりする他の人気のありそうな曲よりドリーム・イーヴルらしさを感じます!
聴いてほしい度
83%
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