※美旋律、メロハー好きなら追求したいAORの魅力をメタル視点で紹介していきます。
スウェーデンのメロディアス・ロック/ AOR・プロジェクト、 ソニック・ステーション(SONIC STATION)が、2012年にリリースした1枚目のアルバム『Sonic Station』の2曲目に収録。
まだまだ続く猛暑ということで、今日は爽やか気分でAOR関連をいってみましょう〜。70年代〜80年代にはアメリカ西海岸から、今も語り継がれるAORの名アーティストや名盤が続々登場したわけですが、2000年代に入ってもなお、そうした音楽性を追求するアーティストの居場所が北欧には残されている感がします。
このソニック・ステーションを生み出したアレクサンダー・クロンブリンクも、そんなアーティストの一人でした。ストックホルム生まれのアレクサンダーは、幼少期からギターを始め、程なくして近所に住んでいたというジョナサン・フリッツェンのもとを尋ねるようになります。
ジョナサンはスムーズジャズシーンで著名な鍵盤奏者で、彼との出会いがアレクサンダーを成長させたんですね。さらに、デヴィッド・フォスターやジェイ・グレイドンをはじめとした西海岸のAORアーティストの音楽に感化されたアレクサンダーは、ストックホルムの王立音楽大学に入学。そこで出会ったのが女性シンガーのマリカ・ウィルステットでした。
かくして、ジョナサン、マリカとの3人を中心に、マグナス・バックルンド、トヴ・ロ、クリストファー・フォーブロマークと計4人のシンガーらを迎え、80年代の西海岸のAORサウンドを標榜して制作されたのがソニック・ステーションのアルバムでした。アレクサンダーはギタリストとしてだけでなく、ソングライティング、プロデュースも含めてプロジェクトを仕切っていますね。
その作風はまさに80年代の古き良きAORサウンドを、現代にアップデートさせたもの。音楽的な確固たる才能を持つアーティストが集まっただけあり、ポップロック、ジャズなど多彩なエレメントが感じられます。
今回ピックアップした「Love's Gonna Show the Way」は、イントロに続いて流れる、爽快でキャッチーなフィーリングに満ち溢れたAORロック・チューンです!
メロディ、アレンジ、全体の音の質感など、驚くほどにあの時代のAORテイストが宿っているのがお見事!フックの強い分厚いコーラスワークに彩られたサビメロや、西海岸風味を漂わせたギターソロも素晴らしいですし、お約束で転調していく後半の展開もお見事ですね〜。
2枚目ではよりハードでメロハー的な要素を強め、こちらも良い出来でしたが、現時点ではこの2枚の音源に留まっています。
ぜひ、一度聴いてみてください!