※80年代中心にハマりまくったジャパメタあれこれを紹介していきます!
日本のヘヴィ・メタル・バンド、時空海賊セブンシーズ(時空海賊SEVEN SEAS)が、2007年にリリースした3枚目のアルバム『Parallel World』の2曲目に収録。
昨今のガールズ・メタル/ロック・シーンのさらなる隆盛によって、演奏レベルも比例するようにアップし、高度なテクニックを持つ凄腕女性ギタリストが相当数いますが、2000年代前半の頃はまだまだレアな存在でした。
そんなテクニカル系女性ギタリストの先駆的な一人がEITA(エイタ)でしたね。一見ギャルっぽい姫ルックスやイメージからまったく想像できない、タッピングを駆使したテクニカルなメタルギターを弾きまくるギャップが、当時は珍しく新鮮に映りました。
そんなEITAを擁して、2003年に結成されたのが時空海賊セブンシーズでした。当初はセブンシーズ名義で、ジャーマン・メタルに触発されたメロスピを奏でたノーマルなバンドでしたが、2006年に時空海賊セブンシーズに改名します。
一風変わったバンド名が示す通り、”地球人の未来を救うために現代にやってきた時空海賊”という設定のもと、彼らが世界を旅する物語をメタルとともに綴る「コンセプト・ヘヴィ・メタル」を標榜。まるでコスプレーヤーのような衣装を身にまとい、ヴィジュアル・ロック系のファン層にもアピールしました。
時空海賊名義では2006年に1枚目の『Dreams』以降、2008年の4枚目『Imagination』までコンスタントに音源をリリース。音楽性はメロディック・スピード・メタルに軸足を置き、日本人好みの美メロとEITAのテクニカルなギターワークが乱舞する、疾走感のあるメタルサウンドを奏でました。
しかし2009年に入りメンバーの脱退などに伴い、解散してしまいました。ヴィジュアル系、メタル系どちらからも支持されそうなバンドでしたが、逆に言うとその中間的でイロモノに見られがちなイメージが災いし、良質なメロスピ作品を生み出してもメタルファンに聴かず嫌いにされたようにも見えました。
現時点でのストリーミング解禁は『Parallel World』のみで、今回そこからピックアップした「TOROI」は、疾走感を伴ったクサメロがこれでもかと乱舞する、メロディック・スピード・メタル・チューンです!
シンガーのクセのある声質と唱法で好き嫌いが分かれそうですけど、無難にクサメロを追っていて、バンドの世界観にマッチして聴こえます。ギター誌にも取り上げられてきたEITAのギターワークはさすがのレベルで、今のシーンでも通用する高度なフレーズを連発していますね~。
EITAは現在もギタリストとして活動を行っており、時空海賊セブンシーズ自体も2013年以降、散発的にライヴで再集結しているようです。昨今の凄腕女性ギタリスト陣との共演も見てみたいものですね。
ぜひ、一度聴いてみてください!