※古きを聴いて新しきを知る。遠い昔になった時代の楽曲を振り返ります!
カナダのハード・ロック・バンド、モキシー(MOXY)が、1977年にリリースした3枚目のアルバム『Riding High』の5曲目に収録。
70sカナディアン・ハードの名バンド、モキシーは、シンガーのバズ・シャーマンらが在籍した、リー・アシュフォード(トライアンフのギル・ムーアも在籍)のメンバーが中心となり、1973年にオンタリオのトロントで結成されました。
1974年には国内でライヴ活動を始めバンド名をモキシーと命名し、シングル「Can't You See I'm A Star」をリリース。これがラジオで大きな評判を呼びポリドールとの契約を獲得します。
1975年の1枚目のアルバム『Moxy』は、カリフォルニアのスタジオで、セルフプロデュースにより2週間で制作されました。この時、たまたま隣のスタジオにいたのが、ディープ・パープルに加入するトミー・ボーリンで、モキシーを気に入ったトミーが急遽ゲスト参加した逸話が残っていますね。
レッド・ツェッペリンを彷彿とさせる強力なハード・ロックとバスの見事な歌唱ぶり、さらにはトミーの参加も含め、デビュー作は話題を集めました。とりわけテキサスを中心にラジオオンエアを獲得し、全米への足掛かりをつけます。
1976年にはニューヨークで名手ジャック・ダグラスのプロデュースにより、2枚目の『MoxyⅡ』を制作。この頃はカナダでのヘッドライナーツアーに加え、全米でのラジオオンエアの高まりにより、ブラック・サバス、ボストンのオープニングアクトなど、テキサスを中心に全米ツアーも実現しました。
地元トロントに戻り、再びジャックを迎えて制作されたのが、『Riding High』でした。本国のジュノー賞にノミネートされるなど高評価を得たものの、よりソフトなロックをラジオが支持し始めた時期に、前作以上に激しいハード・ロック指向だったため、満足なオンエアを得られませんでした。
一般的には1枚目が代表作とされており、「カナダのツェッペリン」というべき音楽性は、確かに70sハード・ロックの魅力を見事に凝縮しています。ただ個人的にはバンド史上最もハードな作風の『Riding High』がフェイバリットですね~。
今回ピックアップした「Riding High」は、性急なシャッフルのリズムとギターリフの応酬で攻めまくった、モントローズばりにハードにドライヴィングしまくるロック・チューンです!
アール・ジョーダンの歪みまくったスライドギターとバズの強靭なシャウトの絡みが実にスリリングで、火を噴くような熱いパフォーマンスを繰り広げていますね。
アルバムリリース後は、AC/DCのオープニングを始め、多数の有名バンドとツアーを敢行したものの、バズが声帯を痛めてしまい脱退。のちにラヴァーボーイでブレイクするシンガー、マイク・レノの迎え、ハードさを抑えた『Under The Lights』をリリースするも以前の勢いはなくなりました。
バズはその後復活するも、1983年にバイク事故で33歳の若さで急逝。AC/DCの後任シンガーとして名前が挙がったほどだったので、今考えても惜しまれます。
ぜひ、一度聴いてみてください!