※プログレ知識薄めのHM/HR視点で選ぶプログレをご紹介します!
アメリカのプログレッシヴ・ロック・バンド、スターキャッスル(STARCASTLE)が、1976年にリリースした1枚目のアルバム『Starcastle』の1曲目に収録。
間もなくイエスの来日公演が始まりますが、イエスといえばふと思い出した(笑)スターキャッスルを今回は行ってみましょう〜。
影響を受けたというより、もはや「クローン」と呼ばれるそっくりさんバンドもいますが、このスターキャッスルは「アメリカのイエス」と一部で称されるほど、様々な要素でイエスに酷似したサウンドを奏でていました。
イリノイ州シャンペーンで結成されたスターキャッスルの歴史は、1960年代末期に遡ります。母体となる別名義のカヴァーバンドでスタートし、メンバーチェンジや改名を重ね、オリジナル楽曲を制作しながら数年間の活動を続けました。
1973年には、同じイリノイ出身のREOスピードワゴンのシンガーとして、1971年のデビュー作で歌っていたテリー・ルトゥレルが加入。1974年にはエピックとの契約を締結し、バンド名もスターキャッスルに落ち着き、6人編成となってアルバム制作に着手。バンド名を冠して完成したのが本作でした。想像を掻き立てる美麗なジャケットもいいですよね〜。
リリースされた1976年のエピック発といえば、かのボストンがいました。ボストンはアメリカン・プログレ・ハードを引っさげつつ、ポピュラリティも有した音楽性でデビューからメガヒットを飛ばしていきます。
一方、よりプログレにフォーカスしたスターキャッスルは、ボストンを始め有名バンドのオープニングアクトを務めるなど、同じエピックのニューカマーとしてアピール。デビュー作は彼らの歴史においては比較的成功を収めました。
ロイ・トーマスベイカーがプロデュースした2枚目『Fountains Of Light』で日本デビューしたものの、あまりにイエスな音楽性やバンドキャラが災いしたのか、その後作品を重ねるも商業的な成功には至らず、1987年に一度解散してしまいました。
ストリーミングでは現時点で、デビュー作だけがアップされており、今回ピックアップした「Lady of the Lake」は、そのオープニングにして10分以上の長尺で表現されたプログレッシヴ・ロック・チューンです!
ボーカルの歌い回しやコーラスワークが、まさにジョン・アンダーソンらしさを再現していますね〜。ベースのブリブリした音色やチロチロしたギターフレーズなどなど、随所にイエスらしさに溢れていて驚かされます。
長い楽曲ですが、細かくアレンジして構築したというよりも、思いつくまま壮大に表現した叙情詩に仕上がっており、聴きごたえも十分。アーティストとしての実力の高さが伺える、彼らを代表する1曲と言えるでしょう。ちなみにSpotifyで60万回も再生されています。
その後は90年代後半に復活し、メンバーもすっかり入れ替わりつつ断続的に活動を続けました。プログレに寄り過ぎたゆえか、商業的な意味では時代に乗れなかったスターキャッスルですが、その挑戦的な姿勢を再評価したいですね。
ぜひ、一度聴いてみてください!