アイアン・メイデン東京公演の真裏という凄い日に、ガールズ・メタル・バンド、HAGANEのライヴにこっそり初参戦してきました。12月に決まった追加公演も、今度はジューダス・プリーストの真裏という凄い日程ですし、もし意図的にぶつけてるのだとしたら、おやじメタラーには新旧洋邦どちらを選ぶのか??究極の踏み絵みたいで一周回ってアリだと思います(笑)。
会場の新宿Renyは500人も入れば一杯で、今の勢いを考えれば当然ですけどソールドアウト。ただし、ステージが高くて見やすく、HAGANEのような演奏してる姿も含めて楽しみたいガールズ系には最適のハコでしょう。
ライヴは荘厳なパイプオルガンのSEに導かれ、メンバーチェンジ前の公演ラストの「Zero」からスタートするという、エモさ満点の演出で始まりましたが、ラストの激速メロスピチューン「Life Goes On」まで、2時間近くがあっという間に過ぎていく、期待以上に素晴らしいライヴでしたね~。
まだオリジナルが少ない中で、「天下五剣」をはじめ、EPの全曲演奏は嬉しかったですし、メンバーチェンジ前の楽曲もよりパワーアップして聴こえました。演奏はパワフルでタイト、しっかりとした技量に裏打ちされているだけに、まったく危なげのない演奏で、何の心配もなく轟音に身を委ねられます。
注目のドラマー、JUNNAがとりわけ凄まじかった!パワフル極まりない顔で叩くドラミングと、ほんわかした見た目とのギャップで、ガールズ系ドラマーのナンバーワンでしょう。ヘヴィさも十分の技巧派、Sayakaのベースとの相性も抜群で、男性顔負けとか言ってたら怒られるレベル。リズム隊だけでも十分に唸らされました。
よしださくらのいい意味でライヴならではの粗さのある、エモーショナルでテクニカルなギターワークも、リフ、リード共に素晴らしく、弾き姿もカッコよくてギターヒーロー的に思わず目を惹かれる華がありますね~。粒立ちと歪みも十分な良いディストーションサウンドを鳴らしていました。
何より収穫だったのが、凪希のパワフルで発声のはっきりした、伸びやかなボイスと堂にいった歌唱ぶり!バックのヘヴィな轟音に全く負けずに、しっかりと耳に入ってくるんですよね。パフォーマンスもライヴ数回とは思えないほど堂々とこなれていて、よいシンガーを見つけましたね~。
現状では何も注文がないほどですけど、敢えていうなら、、CDではツインギターなので、ライヴにおいていかに違和感なくアレンジして再現するか、まだ課題はありそうです。オケを流して演奏もしていましたが、どうしても薄くなったりしますからね。でも、4人のバランスとキャラが最高なので、メンバーを加えずワンギターのままの方が絶対良いと感じました。
あと細かいとこですけど、2バス連打の時にスネアの音が聴こえ辛くなったり、ギターのバッキング音が小さかったり、メタル系に慣れてない?PAだったのかな?いるのかもですけど、ライヴ専任のPエンジニアやローディーも今後必要でしょう。
さて、もうひとつのKOIAIは8月の台風直撃の日の話で、すでに記憶も曖昧なんですが(汗)、ちょっとした雑感まで。こちらの会場は全席イスありの品川インターシティで、まったり観戦できました。
まあとにかく、演奏がバカうま!おじさんたちが30年かかっても出来ないテクニカルな楽曲を、いとも簡単そうに次々と繰り出すさまは圧巻で、終始クチがあんぐり開きっぱなしでした(笑)。
Lisa-XとHazukiの超絶ツインリード、わかざえもんと佐藤奏のバカテクリズム隊は、もはやガールズ系うんぬんのレベルじゃないですね。Kotonoのボーカルはピッチなどまだ成長の余地ありでしたが、声質がメタル系でないのが逆に新鮮で良いですし、ステージ映えもする華のありますね。
そのKotonoのダンスソロタイムがあったり、各人のソロがあったり、メタルのライブらしくないのが面白く、どこかしらスマートでスタイリッシュな雰囲気がKOIAIの個性でしょう。
そして、まさかのTOTO風味強めの新曲「Come See Me」の素晴らしいこと!このハード・フュージョン・ガールズ・メタル?(笑)を、ライヴでもしっかり再現していましたね~。こちらも悪天候で無理して参戦してよかったと思わせてくれた、お見事あっぱれ!なライヴでした。
ということで総括すると、HAGANE、KOIAIの2バンドとも、演奏よし、曲よし、各メンバーのキャラもよしで、ポテンシャルの塊にしか感じませんでしたね!かつて、アルディアス辺りが出ていた時代とは、レベルが桁違いで、ガールズ云々で語るのではなく、シーンが全く違うステージに上がっていることを実感させられました。
ガールズメタルの範疇で語られているだけに、現状の支持層は、(私含め)おやじメタラーオンリーの客層ですけど、そこを打破して、もっとグレーゾーンの若い男性層や女性層、アニソン、J-ROCK、フェス系のファン等などを取り込む仕掛け、工夫をしてほしいですね。
各メンバーのキャラもいいし、それぞれメタルに限らず多彩な別ジャンルでも活動中(例えば、よしださくらのファルコムバンドなどなど)なので、おやじメタラーのアイドルだけで終わるのは勿体ない。もっと高みを目指してほしいなあ。
広がりのないメタル専門媒体の露出とかホントどーでもよくて、そんなのなくてもネットで情報を拾っておっさんメタラーは勝手に応援しますから、第2のラヴ・バイツを目指すのではなく、それぞれの事務所さんには既成概念にとらわれないプロモーションをしてほしいと切に願います。そして、日本国内だけでなく、海外マーケットもどんどん狙ってほしいですね!
HAGANEは10月、12月に、KOIAIも10月にライヴがありますので、先入観でまだの方々にはぜひ一度観てほしいと思います!きっと新しい何かが得られるはずです。ガールズ系は取り立てて追いかけてませんけど、この2バンドに関しては推しで(笑)、今後も動向に注目していきたいと思います!
HAGANEの今日の1曲はこちら!
MVはこちら!
KOIAIの今日の1曲は、現状動画だけのこちら!