元アイアン・メイデン(ex IRON MAIDEN)のシンガー、ポール・ディアノ(Paul Di'Anno)が、2024年10月21日に亡くなりました。
ソールベリーの自宅で息を引き取ったことが、ポールの現在のレーベルを通じて発表されました。まだ66歳の若さでの訃報が届いてしまいました。
80年代のアイアン・メイデン脱退後は、様々なバンド活動を行いながらも、メイデン時代の栄光からは次第に遠ざかっていき、さらには体調面の問題も抱えるなど、まさに波乱万丈の人生を送ってきたポール。
ところが近年メイデンのメンバーと再会を果たし、ブルース・ディッキンソンとの対面も実現。自身の音楽活動でも日本公演の予定やベストアルバムの発表など、未来に向けた前向きなニュースが次々に届いていました。
スティーヴ・ハリスともコンタクトを取り続けており、健康面が許せば、もしかしてメイデンの50周年に向けて何か一緒にやってくれるのでは?という期待感が徐々に醸成され始めていました。
ポールがメイデンに残した功績に対し、正当なスポットライトがあてられる機運が高まっていただけに、このタイミングでの訃報は本当に残念でなりません。メイデンのオフィシャルからも、すぐに深い追悼のコメントが発表されましたね。
他にも、すでに多くのアーティストからの追悼のコメントが出始めており、メイデンの初期2枚のアルバム『Iron Maiden』と『Killers』が、世界中のアーティスト達がキッズだった頃に、いかに絶大なる影響を与えたのかを表しているかのようです。
筆者も1980年、1981年に『Iron Maiden』『Killers』をリアルタイムで聴いて、言葉で表せないほどの衝撃と音楽的な影響を受けた一人で、ヘヴィ・メタルにのめり込んでいく大きなきっかけのひとつなりました。その中心を貫いたポールの若々しくも荒々しい斬新なボーカルスタイルは、短髪のパンキッシュな風貌も含めて、新世代のメタルの息吹の象徴として脳裏に焼き付きました。
その衝撃は45年近く経った今でも色褪せません。『Iron Maiden』『Killers』は、一番好きなメイデン作品として変わりませんし、これからも愛聴していくたびにレガシーといえる歌声に触れることで、多大なる功績を残した革新的なシンガー、ポール・ディアノに思いを馳せることでしょう。
この曲の真なる魅力は、ポールの歌唱があってこそ完成することを、先日の来日公演でも改めて痛感させられました。追悼の1曲として、バンドのテーマにしてメタル史に残る不朽の名曲「Iron Maiden」を聴きながら、ご冥福をお祈りしたい思います。
R.I.P. Paul Di'Anno
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