※80sを象徴する音楽、産業ロックのあれこれを紹介していきます!
アメリカのロック・バンド、 ジャーニー(JOURNEY)が、1983年にリリースした2枚目のアルバム『Escape』の6曲目に収録。
ジャーニーの来日にちなんで関連楽曲をご紹介してきましたが、無事全公演終了したようですね。筆者は前回の武道館での『Escape』『Frontiers』完全再現ライヴを観て満足したので、今回は行かなかったんですが、ネット上で行かれた皆さんの反応を見ると上々のようでした。
この間のサミー・ヘイガーもそうでしたけど、この時代のアーティストの色褪せない底力は凄いものがありますよね。ジャーニーの場合、来日前にメンバー間の訴訟があったり、アーネル・ピネダのパフォーマンスに対する誹謗中傷があったりしましたが、日本の洋楽ロックファンは暖かいなあ~と改めて感じます。
YouTubeに上がっている海外でのライヴ映像のコメント欄なんかを見ると、アーネルにかなり辛辣な意見が飛び交っています。誹謗中傷はもってのほかですが、なんらかの不満を感じるのは、半分はわからなくない気がします。
アーネルが加入当初よりも年齢を重ね、声や歌い方に粗が出てきたのは事実ですし、動き回るパフォーマンスは、落ち着きがないとの見方がありますからね。それが、神格化されていくスティーヴ・ペリーとの比較で、どこまでいっても結局は超えられないだから、シティーヴさえ戻ってくれたら、、という結論に至るんでしょう。
一方で、ペリーの在籍は足かけ12、3年に対し、アーネルは16年ほどと、すでにより長くジャーニーに貢献しています。アーネルは今57歳ですが、ペリーが57歳の時にアーネルと同じように歌えたか?これはわからないでしょう。ましてや、今のペリーには絶対にあのハイトーンはでないでしょうからね。
オリジネーターのペリーが一番凄いのは言うまでもなく、アーネル自身が一番わかっていることなので、どちらがどうという比較をするのではなく、57歳であのハイトーンを用いる楽曲を毎晩歌い続けているアーネルにも、敬意を表するべきでしょう。やはり、ニールがもっとツアーの日程やセットリストをコントロールして、アーネルが無理なく歌いやすい環境を作るべきだと思いますよ。
そんな色々と思うところがあったジャーニー関連ですが、彼らの数多の有名曲を差し置いてでも個人的にフェイバリットに近いほど大好きな1曲が、今回ピックアップした「Escape」です!モンスターアルバムのタイトル曲ですけど、「Don’t Stop Bilevin」「Open Arms」といった有名曲が目立ちまくっているので、アルバムの中の1曲に甘んじている感があるのは何とも惜しい!
アメリカン・ハードの醍醐味をぶちかます、ニールのハードなギターリフに始まり、ホンキートンクなR&Rテイストの楽し気で軽快なリズムに乗せてペリーが歌い上げたかと思いきや、シンコペーションの効いたリズムチェンジでハッとさせ、アメリカン・プログレハード風のスリリングな展開に突入。
そこを抜けると、言いようのない高揚感に包まれる、これぞ産業ロック!というべき快活なポップフィーリングを放つパートへと流れ込み、ニールのテクニックと歌心を兼ね備えたソロを挟んで大団円と向かう、、5分余りの尺にジャーニーの魅力がぎっしり凝縮された、もの凄い楽曲に仕上がっています。
音源で聴いても凄いんですけど、ライヴで体感すると高揚感が半端ないんですよね~。今回の来日でも披露されたようですが、恐らく盛り上がったはずでしょう!
ぜひ、一度聴いてみてください!