※古きを聴いて新しきを知る。遠い昔になった時代の楽曲を振り返ります!
アメリカのハード・ロック・バンド、デリンジャー(DERRINGER)が、1976年にリリースした1枚目のアルバム『Derringer』の7曲目に収録。
ジョニー・ウィンター、エドガー・ウィンターとの活動に加え、ソロ名義でも成功を収めたギタリスト / プロデューサーのリック・デリンジャーが、自身の名を冠したバンド、デリンジャー名義で、70年代後半に差し掛かる頃にリリースしたのが本作でした。ストリーミングでは、なぜかソロ名義になっています。
レコーディングメンバーは、ボーカル / ギターのリックに加え、ダニー・ジョンソン(G)、ケニー・アーロンソン(B)、ヴィニー・アピス(Ds)という布陣。ダニーは80年代にスティーヴ・ヴァイの後任でアルカトラスに参加したので、メタルファンにはお馴染みでしょう。70年代には本作のドラマーのヴィニーとともにパワートリオのアクシスを結成し、こちらはかなり以前にご紹介してました。
ケニーは80年代にサミー・ヘイガー、ニール・ショーンのコラボで知られるHSASに参加したことで知られていますが、こちらも1曲ご紹介してましたね〜。
ディオ他で知られる名手ヴィニーは、説明不要でしょう。HM/HRファンにも馴染みのある、ちょっとしたスーパーグループ的なメンツが揃っていますが、筆者は80年代に中古LPで「ジャケ買い」したのを覚えています。このジャケットデザイン、なんかメタルっぽくてカッコ良くないですか?
真ん中にドーンとメタリックなバンドロゴがあって、色味もクールなので、結構ギンギンにアメリカンハードなサウンドを期待したんですけど、実際にはさほどでもなく、、それでも、多様な音楽性を内包しつつ良質でキャッチーなメロディを主体にしたロックが楽しめます。ハードさは次作『Sweet Devil』が上回りますね。
そんな作風の中で、今回ピックアップした「Beyond the Universe」は、ユニゾンで奏でられる速いリフとリズムを伴いハードにドライヴィングする、ジャケのイメージにぴったり合ったクールなロック・チューンです!
ちょっとジミヘンをアップデートしたような感触もありますが、リックのギタープレイやボーカル、ヴィニーのドラミングを始めとしたパフォーマンスも良く、脳裏に刻まれる印象的な楽曲ですよね〜。
この曲はジャーマン・メタラーのサンダーヘッドがカヴァーして、デビュー作に収録しました。バンドの荒々しいイメージにぴったりなメタルアレンジで、曲が持つパワフルな魅力を後世に伝える役割も果たしましたね。
リックは日本で過小評価されていますが、他にも優れた楽曲が多く、また別の機会にご紹介したいと思います!
ぜひ、一度聴いてみてください!