※80sメタル好きの暗黒期、90年代の良心的楽曲を紹介していきます!
アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、ベラドナ(BELLADONNA)が、1995年にリリースした1枚目のアルバム『 Belladonna』の2曲目に収録。
アンスラックスのフロントマンとして、80sのスラッシュムーブメントにおいて存在感を発揮してきたジョーイ・ベラドナ。他のバンドの多くのシンガーに比べて圧倒的に「歌える」ジョーイと、ザックザクのリフとドコドコリズムの組み合わせこそが、アンスラックスの孤高のスラッシュを形づくっていたのは間違いないでしょう。
個人的にジョーイの歌唱と声質が好みだったので、1992年にジョーイが脱退したときは、スラッシュブームの衰退ともシンクロして、衝撃かつ残念でしたね。ジョン・ブッシュ後のアルバムも悪くはなかったとはいえ、ジョーイが残してきたものの大きさを改めて痛感させられました。
そんなジョーイがアンスラックスを離れて、暫しの沈黙を経て始動したのが、自身の名を冠したバンド、ベラドナでした。ただし。バックを務めるメンバーも一般に知られていないミュージシャンで、実質的にはソロプロジェクトといったところでしょう。プロデュースはスラッシュ系でお馴染みのプロデューサー、アレックス・ペリアラスとジョーイ自身が担当しています。
90年代ど真ん中のリリースですから、他のスラッシュ系同様にグランジ・オルタナやモダン・ヘヴィネス的な要素の強い音楽性ではと思いきや、意外にもそうした要素は皆無。ややスラッシュ的な要素も残しつつも、比較的ノーマルなパワー・メタルを展開されます。
まあ、楽曲が良いかと言えば、メロディが無色無臭でフックのない、正直退屈さを禁じ得ないものも多いんですが(汗)、リリースされた時期やシーンの状況を考えると、モダンとは真逆のアプローチをしているのは、いま改めて聴くと好感が持てますね~。
これが並みのボーカリストだと本格的なつまらんアルバムになりそうなものの(汗)、何よりジョーイの伸びやかな歌唱や歌いまわしが素晴らしく、そこかしこに「アンスラックス感」が溢れているのもポイントが高いところ。当時の本家以上にアンスラックス感を与えてくれます。
全曲通しでなく選んで聴くほうがよい作品でしょう。今回ピックアップした「Power Trip」は、跳ねるリズムと重厚なギターリフで80sスラッシュ風味もある、ノリの良いヘヴィ・メタル・チューンです!曲調的にデス・エンジェルを歌うジョーイ・ベラドナといったムードも漂いますけど、ジョーイの抜群の歌唱で何段階も楽曲レベルが上がった印象を受けますね~。
結局、ジョーイがアンスラックスの元の鞘に収まったのは必然だったんでしょう。他にも外部ではジャーニーのカヴァーバンドなんかもやってますけど、ジョーイが歌う本格的なメロハーも聴いてみたいですね。フロンティアーズが企画してくれないかなあ。
ぜひ、一度聴いてみてください!