※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2025年8月27日、ドイツのメロディック・パワー・メタル・バンド、ハロウィン(HELLOWEEN)の約4年ぶり17枚目のアルバム『Giants and Monsters』がリリースされました。
ここのところ新作レビューがご無沙汰でしたけど、いくつか注目作も出てますので遅ればせながら(汗)いってみましょう~。
この夏から秋にかけてのメタル系話題作のひとつは、やはりハロウィンでしょうね。歴代メンバーの多くが集結した7人編成による奇跡の前作もレビューしてましたけど、今回は同編成での2枚目となります。
日本武道館での公演の成功が示す通り、日本におけるハロウィンの衰えぬ人気ぶりから、セルフタイトルまで冠した前作は、大歓迎の声をもって多くのHM/HRファンに受け入れられました。実際にそうした期待に応えるだけの内容を提示してくれたのは間違いないでしょう。
ただし、当初は大所帯での編成は期間限定で、ライヴにしろ音源にしろ、ある種の「お祭り」騒ぎ的な様相の中で活動が発展していったのも事実なので、7人編成でもう1枚スタジオ作をつくったのは意外な展開でしたね。
それだけハロウィンとしての活動に歴代メンバーたちが手ごたえを感じたんでしょうが、お祭り的な状況が一旦落ち着いたのちに聴く本作は、まずはマイケル・キスク、カイ・ハンセンらの復権を手放しで喜んだ前作とは異なり、自ずとアルバムの内容自体によりフォーカスして聴いてしまいます。
今作でも、メロパワのオリジネーターとして、ハロウィンらしいクオリティの高いメタルを実践しているのは疑いありませんが、聴いていくと楽曲の方向性などがシンガーによっても異なりすぎて、大所帯編成ならではの散漫さが気になってしまいました。
バラエティに富んだ作風、という見方もできるんでしょうけど、前作のほうがアンディ・デリス、キスク、カイらの色合いがいい具合にミックスされて、ハロウィンの名のもとにビシッと1本筋の通ったものが感じられたんですね。
ハロウィンのトレードマークである疾走曲が少なめなのも、全体の印象としてマイナスポイントでしょうし、長尺曲はあれどメロディや展開のフックも、ハロウィンに期待されるレベルとしては、少々モノ足らずもどかしく思えてしまいます。あと、前作でも書いたんですけど、スネアのタイトじゃないベチャとした音感が気になるなあ〜。。
いっそのこと、3人のシンガーごとに前半中盤後半と数曲ずつ3部構成にして、それぞれの期を彷彿とさせる楽曲で固めてくれたら面白かったかもですね~。めちゃくちゃ勝手なアイデアですけど(笑)。いずれにせよ、この先、7人編成がどうなっていくのか??その動向も見守っていきたいと思います!
今回の1曲はアルバム9曲目に収められた「Under The Moonlight」をピックアップしました!あまり注目されない1曲かもですけど、いかにもキスク期のハロウィンらしい、明るいメロディが躍るファニーなテイストのメタルで、個人的には一番リピートした1曲でした。やっぱりキスクだけで1枚フル作を作ってほしいかも。。
聴いてほしい度
70%
ピックアップ曲はこちら!
アルバムはこちら!
