マノウォー (MANOWAR)の元ギタリスト、ロス・“ザ・ボス”・フリードマン(Ross "The Boss" Friedmann)が2026年3月26日に亡くなりました。72歳でした。
本名よりもメタルファンには「ロス・ザ・ボス」として広く知られているでしょう。ヘヴィメタルの戦士マノウォーの礎と黄金期を築いた、重要な創設メンバーの訃報ですが、強靭な肉体の持ち主のイメージが強い分、ショックも大きいですね。今年の2月に難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)であることを公表し、治療に対してのクラウドファンディングを開始した矢先でした。
マノウォーからは1988年にすでに離れていますが、バンドのオフィシャルから追悼のコメントが出されています。その中で「彼はヘヴィメタルとパンクロックの両分野に多大な足跡を残しました」と記されている通り、そのキャリアは両者をつなぐ特異なものでした。
メタルファンにはロスといえばマノウォーの印象が強いものの、ロスのキャリアの原点はメタルではなく、1973年に結成されたニューヨークのパンクロックバンド、ディクテイターズでした。1977年にニューヨークパンクシーンの台頭とともにデビュー作『The Dictators Go Girl Crazy!』をリリース。ちなみにベースは、トゥイステッド・シスターのマーク・メンドーサが担当しています。
ディクテイターズで3枚を残したのちに、ロスはヨーロッパに渡り、フランスの女性シンガーを擁するハード・ロック・バンド、シェイキン・ストリートに加入。1980年にセルフタイトルのデビュー作をリリースし、そののちにジョーイ・ディマイオとマノウォーを結成したんですね。
ロスの共作曲が大半を占めるマノウォーのデビュー作『Battle Hymns』は、あくまでメタルではあるものの、ギターワークやサウンドメイキングなどに、ロスのそれまでのキャリアから生み出されたテイストが、至るところに感じられます。
そこから『Into Glory Ride』『Hail to England』『Sign of the Hammer』『Fighting the World 』そして、『Kings of Metal 』と、マノウォーの黄金期のみならず、メタル史に名を刻む名盤にギタリストとして、ときには「Hail and Kill」をはじめとした曲でのジョーイとのソングライティングで、その名を残しました。
マノウォーの名がメタルにおいて不滅である限り、ロスが残した功績も語られ続けるでしょう。今回はロスが共作したマノウォーのデビュー作のラストを飾る劇的なメタルチューン「Battle Hymns」をピックアップしました。その熱き漢のギタープレイを聴きながら、ご冥福をお祈りしたい思います。
R.I.P. Ross "The Boss" Friedmann
