※まさにHM/HRの黄金時代、80年代を彩った楽曲を振り返ります!
イギリスのロック・ギタリスト、 ジェフ・ベック(Jeff Beck)が、1985年にリリースしたソロ名義としては5枚目のアルバム『Flash』の2曲目に収録。
先週から今週にかけては、ジェフ・ベックを追悼して、ストリーミングで聴ける楽曲をいくつかご紹介していきます。
ソロ名義ながら、久々に数人のシンガーを迎え、歌ものアルバムとしてリリースされたのが本作でした。中でもロッド・スチュアートとの共演は話題を呼び、制作陣もヒットメーカーのナイル・ロジャースとアーサー・ベイカーが大半をプロデュースしています。
ジャケットに写るギターを持っていない!お洒落なジェフが示すように、キャリアの中では異例のアルバムとなりました。外部の制作陣が主導した、80sの洋楽シーンのトレンドに迎合するような作風ゆえか、ジェフ自身は本作の出来を気に入っていないわけですが、決して問題作とは思えません。
ギターインスト中心で、薄めの音楽リスナーにはある意味とっつきにくいジェフの音楽やギターを、ロッドとの「Peaple Get Ready」を核にして、一般的に聴きやすい形で提示した作風は、個人的には十分楽しめて評価されるべきと思います。
何より、80年の洋楽テイストを感じさせる歌モノの中でも、ジェフのギターはそこかしこで十分に尖って主張していますし、ギターだけとってもインスト作とはまた違ったアプローチがなされている点は、特に聴きどころといえるでしょう。
今回ピックアップした「Gets Us All in the End」は、シーケンサーに導かれたシンプルなビートの中で、哀感を帯びたコード展開とメロディが光る、ヴォーカル入りのハードなロック・チューンです!
本曲はアーサー・ベイカー作で、シンガーはジミー・ホールですが、ここまでストレートで分かりやすい、メロディアスな歌ものはジェフの作品において珍しいので、かえって新鮮な感じがしていいですね~。
それでもちゃんと聴けば、思いのほか激しく、いかにもジェフらしいひと癖ふた癖も難解なフレーズを弾きまくっていますし、ハードな分、HM/HRファンでも違和感なく楽しめる楽曲といえるでしょう!
ぜひ、一度聴いてみてください!