※古きを聴いて新しきを知る。遠い昔になった時代の楽曲を振り返ります!
イギリスのハード・ロック・バンド、ウォーホース(WARHORSE)が、1970年にリリースした1枚目のアルバム『Warhorse』の1曲目に収録。
第1期ディープ・パープル脱退組(というか追い出された組)では、シンガーのロッド・エヴァンスによるキャプテン・ビヨンドを以前取り上げましたが、こちらのウォーホースは、ベーシストのニック・シンパーが結成したバンドですね。
ニックは1969年にパープルを解雇されて以降、女性シンガーのマーシャ・ハントのバックバンドで活動する中で、発展的に自身のバンドへとメンバーを固めていきます。アシュリー・ホルト(Vo)、ゲド・ペック(G)、マック・プール(Ds)、さらにはキーボードにリック・ウェイクマンが参加します。ところがリックがアルバム制作前にストローブスに加入したため、フランク・ウィルソンに交代しました。
ヴァーティゴからリリースされたセルフタイトルを冠したデビュー作は、いやがおうにもパープルの遺伝子を感じさせる、オルガンや歪んだギターをフィーチャーした躍動感のあるハード・ロックに仕上がっています。イージービーツのカヴァーを含む楽曲もなかなか聴きごたえがありますよね。ジャケットのアートワークもバンド名を象徴するようなムードが感じられます。
当時の日本盤のオビには「ブラック・サバスに続くヘヴィー・ロック・グループはこれなのだ ベースとドラムの掛け合いに注目!」と、ちょっとバカボンのパパ風に(笑)と書かれてます。それでも当時のウォーホースへの評価が感じられるオビタタキでしょう。
今回ピックアップした、オープニングに収められた「Vulture Blood」は、シンコペーションの効いたヘヴィなリズムを伴い激しくドライヴするハード・ロック・チューンです!
強烈なシャウトを聴かせるアシュリーの歌唱や、主張の激しいフランクのハモンドとベックのハードなギターワークと、パープルを想起させる要素が多いですよね。小型パープルと揶揄する声もあるかもですが、十分なクオリティを備えたブリティッシュ・ハードの1作として、HM/HRファンでもとっつきやすいでしょう。
1972年には、より音楽性を拡散させた2枚目『Red Sea』がリリースしたものの、成功を収めることなく、1974年には解散してしまいました。こちらもストリーミングで聴くことができます。
ぜひ、一度聴いてみてください!