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【楽曲紹介】エモーション(EMOTION)「Super Star」

※80年代中心にハマりまくったジャパメタあれこれを紹介していきます!

 

日本のハード・ロック・バンド、エモーション(EMOTION)が、1988年にリリースした1枚目のアルバム『Emotional Kiss』の1曲目に収録。

 

イングヴェイのように頑固一徹、何も変わらない音楽性を永遠に追求し続けるケースがある一方で、さまざまなアーティストやバンドが、何らかの要因でその音楽性を変える「転向」もしばしば起こりえますよね。

 

80sのジャパメタにおいて、その唐突な「転向」ぶりに驚かされたひとつが、このエモーションでした。メンバーは岸本友彦(Vo)、松川純一郎(G)、野崎 広一 (B)、石橋 茂雄 (Ds)の4人組。

 

ライヴハウス界隈で人気を集めたムルバスで活動後、スピーディーなパワー・メタルのリアクションでフロントマンを歴任。よく伸びるハイトーンを武器に活躍した岸本。そして、サタニックメタルの権化として、80sジャパメタにおいて異彩を放った大物、サブラベルズの松川と石橋の合体ですからね。

 

ある意味、関東メタルシーンのちょっとしたスーパーグループだったわけです。そんな彼らが取った選択(やらされた選択?)が、はっきり言ってしまえば、メタル色を薄めた「売れ線狙い」だったのは明白でしょう。

 

シングル「 No Surrender」はアニメレーベルからリリースされ、「ザナドゥドラゴンスレイヤー伝説」の主題歌となります。ジャパメタによるアニソンタイアップの走りのひとつですね。

 

同曲を含めアルバムの方には、これでもかとキャッチー&ポップなロックが、ずらりと並びます。正直聴いていて恥ずかしくなるほど甘ずっぱいメロディとコード進行の連続で、サブラベルズやリアクションのまさに対極。「転向」以外何物でもなく、初聴の時はイスから転げ落ちそうになる衝撃でした。

 

今回ピックアップした「Super Star」は、その中でも比較的カラッとキャッチー、アメリカンなポップフィーリングが息づくハード・ロック・チューンです!サブラベルズの邪悪なリフを弾いている同一人物とは思えない、爽快なリフが響き渡ります。但し、岸本の歌唱は、ちょっと無理があったリアクション在籍時よりも、こうしたメロディ重視の音楽性の方がしっくりきましたね。

 

ここまで大胆な試みも上手くいかず、結局この1枚だけで終わったのも、その無理やり感から必然の結果だったのかもしれません。その後、岸本と松川はジャパメタ冬の時代に、ファルコムゲームミュージックを演奏するJ.D.K. bandへと活路を見出すことに繋がっていきます。

 

ぜひ、一度聴いてみてください! 

 

SUPER STAR

SUPER STAR

  • エモーション
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes