※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2023年10月13日、イギリスのメロディアス・ハード・ロック・ユニット、ナイトレイト(NITRATE)の約2年ぶり4枚目のアルバム『Feel the Heat』がリリースされました。
2015年にノッティンガムでベースプレイヤーのニック・ホッグが立ち上げ、同年のデビュー以来コンスタントに作品を量産し続けてきたナイトレイト。早くも4作目になりますが、メロハーご用達のオーストラリアのメロディックロック・レコーズ、AORヘヴンを経て、今回はお馴染みフロンティアーズに移籍しての第一弾作品となります。
これまでニックを中心に、ハーレム・スキャーレムのハリー・ヘスやミッドナイト・シティのロブ・ワイルドらが音作りをアシストしたり、ジナトラのヨス・メネン、アート・ネイション、クラウンのアレクサンダー・ストランデルをはじめとしたシンガーを起用したりと、世代や国を跨いだメロハープロジェクトの様相と呈していましたが、同様の作品作りが継続されています。
今作ではヴェガのトムとジェームズのマーティン兄弟がプロデュースとミックスを担当。トムはギター、ジェームズはキーボードも担当していますね。その他のメンツは、前述のアレクサンダーが再びシンガーを務め、その他、リチャード・ジャック(G)、アレックス・クーパー(Ds)となっています。
さらに、ゲストで女性シンガーのイッサ、ポール・レインらが名を連ね、ソングライティングではチープ・トリックの 「The Flame」を共作したボブ・ミッチェル、チェンジ・オブ・ハートのアラン・クラーク、前述のロブ・ワイルド他がクレジットされています。
作風や方向性も良い意味で過去3作と全く変わりませんが、ヴェガのマーティン兄弟が全面的に協力しているだけあって、安心安全、80sライクなメロハーの理想郷といえるサウンドが、徹頭徹尾に渡って展開されています。メロディ愛好家、メロハー好きの方々なら、まず外さない手堅い1枚となっています。
なんですが、、敢えて贅沢な悩みを言うと、あまりにもあざとく”狙い過ぎた”メロディのフック、コード進行にフックがそこいらじゅうに仕掛けられ過ぎていて、だんだん感覚がマヒしてくるというか、全編聴いているとお腹いっぱいになってしまうのも事実なんですよね。。フック不感症といいますか(笑)、フックと刀は使いようでしょう(笑)。
加えて、フロンティアーズに移籍したことでイッサとのデュエットなんかも実現したわけですが、例によってサウンドプロダクションがどのバンドでも画一的な、いつものフロンティアーズの音作りになってしまい、、。バラードもハードな曲も、全部一緒で閉口させられるドラムの音なんかは、特にそう感じてしまいます。
そうした意味で、昨日レビューしたステーションはフロンティアーズ勢と違う魅力がありましたね。
ナイトレイトにしても、これだけの楽曲やメロディを生み出せるニックの才能を生かすべく、より個性が生きる音作りを目指してほしいものです。
どの曲を選んでもフック満載なわけですけど、今回はアルバム6曲目「Live Fast, Die Young 」をピックアップしました!メロディはホント申し分なし、後半転調していく展開もお見事!のひとことですね。
聴いてほしい度
85%
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