※誰が聴いてもヘヴィ・メタル!な楽曲を紹介していきます!
ドイツのヘヴィ・メタル・バンド、フェイスフル・ブリース(FAITHFUL BREATH)が、1984年にリリースした5枚目のアルバム『Gold 'N' Glory』の5曲目に収録(ストリーミングでは2曲目に収録)。
様々なバンドが歴史を重ねる中で、その音楽性を変化させていく例がありますけど、このフェイスフル・ブリースは、かなり極端な例と言えるほどに、姿を変えていったユニークな存在です。
その歴史は、15歳の若さだったハインツ・ミークス(G、Vo)を中心としてバンドが結成された1967年に遡ります。そこから70年代前半にかけてメンバーチェンジを繰り返し、音楽的に試行錯誤を繰り返す中で、プログレ、シンフォニック・ロック路線へとたどり着き、74年にデビュー作を発表しました。
ドイツ国内や近隣諸国でライヴも重ねつつ、シングルのリリースはあったものの、2枚目のアルバムが完成したのはすでに1980年。ヘヴィ・メタルが台頭する時代を感じ取ったメンバーらは、元々ハード・ロックにも影響を受けていたこともあり、方向性を一気に転換していきました。
1981年の3枚目、83年の4枚目とジャケットを見るとすでにヴァイキングの仮装をしている通り、全く異なるイメージとサウンドで勝負していく決意を伺わせます。短期間での変貌ぶりはなかなか凄いですよね~。
そして、ウド・ダークシュナイダーをプロデューサーに迎えた、メタル路線の勝負作が本作でした。ヴァンキングイメージのジャケットこそしょぼいものの、名手マイケル・ワグナーをミックスに迎えたサウンドは実に重厚で、ヴァイキング版のアクセプト、とでも言いたくなる充実ぶり。ここまで本格派のメタルバンドに変貌するとは、プログレマニアもビックリしたでしょう。
今回ピックアップした「Gold 'N' Glory」は、重厚なミッドテンポに乗せて、哀愁を帯びた勇壮なメロディ響き渡る、アンセミックなヘヴィ・メタル・チューンです!アクセプトの「Balls to the Wall」を彷彿とさせる凛とした男臭いムードがたまりませんね~。
良作を作りながらも、レーベルがベルギーのモーソリアムという悲哀でプロモーションが十分でなく、結局、フェイスフル・ブリースはその姿をジャーマン・メタル・バンド、リスクへと発展的に変えていきました。この80年代後半の変貌ぶりもまた興味深い限りです。
ぜひ、一度聴いてみてください!