※生きる養分、大好物のメロハー曲を紹介していきます!
アメリカのメロディアス・ハード・ロック ・バンド、ル・マン(LE MANS)が、1986年にリリースした1枚目のアルバム『Le Mans』の1曲目に収録。
1980年代初頭にシカゴで結成されたル・マン。わずかアルバム2枚だけを残したバンドですが、両作品で同じバンドとは思えない大きく異なる音楽性を聴かせてくれます。
まず、結成してほどなくして、シュラプネル・レコーズのマイク・ヴァーニーに目をつけられたル・マンは、シュラプネルのメタルコンピ『U.S. Metal Vol. II』に、ワイルド・ドッグス、エキサイターらと並び1曲参加しました。ここではギタリストとしてデレク・フリゴに加え、ジョシュ・ラモスがクレジットされていますね。
コンピの流れから1983年には、同じシュラプネルからマイクのプロデュースにより、デビュー作『On the Street』をリリース。デレク、ジョシュのギターをフィーチャーした荒々しさもある正統派のメタル作品に仕上がりました。シンガーはのちにカコフォニーに参加するピーター・マリノで、シュラプネル人脈が伺えます。
それから約3年後、ル・マンはメジャーのコロンビアと契約。驚きの変化を遂げたサウンドを内包した、本作を引っ提げてシーンに再び登場しました。ジョジュに代わり、シンセを兼任するギタリストが加わったものの、プロデュースは再びマイクが担当するなど制作陣に大きな変化はありません。
ところが、そこに収められたサウンドは、ジャケに写るメンバーの以前よりも洗練されたムードそのままに、シンセをフィーチャーしたメロハー、アリーナロック路線を極めた180度異なるものでした。
粒ぞろいの楽曲はどれもメロディの質が高くメジャー感に溢れており、メンバーの素晴らしいパフォーマンスと相まって、きっかけさえあればブレイクしてもおかしくない作品を作り上げました。真性のUSメタルだけでなく、こうした作品も生み出せるマイクのプロデュース力には驚かされましたね。
今回ピックアップした「Love Lies」は、驚きを与えてくれたオープニングを飾るにふさわしい、哀感とフックに満ち溢れる良質なメロディアス・ハード・ロック・チューンです!ヴァースとギターソロの展開がデフ・レパードの「Photograph」っぽくて、良いアクセントになっていますね~。
これだけの良作にも関わらず日本盤はなぜか発売されず、、本国でもなぜか話題にならずに1987年に解散してしまったのは残念でした。両作ともストリーミングで聴けるので、文字通り再評価してほしいと強く思います!
ぜひ、一度聴いてみてください!